
爬虫類系の革を使った、なかなか上物のお財布のようです。

内装は合皮等を使うものが多い中、ちゃんとした牛革が使われており、10年近く使っている割には状態は決して悪くないのですが・・・。
お母さま曰く・・、
“中にカードとかいっぱい入れるとパンパンになって、ファスナーが開いてきちゃうの・・・”
・・・・そ、それは単にこの財布が持つ本来のキャパシティを超えているだけなのでは・・・
とも思いましたが、せっかく革小物の経験値を積んだ娘が
“任せなさいっ!”
と持ち込んできたので、そこは敢えて目を瞑り、早速解体作業へ・・・。

あ〜ぁ、バラバラ〜・・・。もう後戻りできませんよ・・。

片面の爬虫類革の方は状態もよく、またこの財布の売りでもあるのでそのまま再利用しますが、もう片面の牛革の方はやや劣化が進んでいたので、こちらは“タンニン鞣し”の高級皮革を使うことに・・。

また問題のファスナーですが、コイル式(樹脂製)だったので、ここは金属製で壊れにくいものに替えることに・・・。
これでファスナーが開いてしまうことはなくなるとは思うのですが・・。(まあ、それでも本来のキャパ内でお使いいただくのがベストなのですが・・。)

内装や心材も殆ど劣化がないので(心材の一部劣化しているところだけ新しいものを入れて)、ほぼそのまま再利用していきます。

最も難易度の高い、観音開きになるファスナー付け作業へ・・。

ミシンもドキドキです。
基本、既に空いているミシン穴に針を落としていかないといけないので、ここは結構プロでも難しい作業なんです。
で、なんとか完成〜!

モスグリーンのタンニン革を使ったことで、だいぶ印象が変わりましたね。

外付けのポケット部分も同様に金属製のファスナーに替えましたので、これでパンパンに入っても壊れにくくなったとは思いますが・・・。
まあ、それでも中に入れるのはほどほどにお願いします。