2017年09月20日

Aさん追っかけ記録A〜おまけ付きのショルダーが完成〜の巻

前々回ブログ、Aさんのショルダーバッグの続きです。

357_1.jpg

心材を貼った表胴と底・横マチの縫製のところまででした・・・・。

Aさん母ショルダーバッグG.jpg

今回は、写真のような“天マチ”といわれる、かばんの上面部にファスナーと一緒に付けられるマチを付ける、というのが特徴の鞄です。

Aさん母ショルダーバッグH.jpg

入れ口については、同革を薄く漉いたテープを巻き付けて縫い上げるパターン・・・。

その時に登場するのが、これまでも何度か登場してきた、“逆抑え”です。

Aさん母ショルダーバッグI.jpg

通常、工房に置いてある【TE-5】や【TE-6】のような右アームのミシンは、針孔の左側に“抑え”がくるのですが、写真のように針孔の右側に“抑え”が来ています。

これで、ストレスなく綺麗に縫えるというわけです。


Aさん母ショルダーバッグJ.jpg

なんとか無事に縫い上げることが出来ました。
このあと、内側のはみ出た薄革を“市切り”という道具で切り落として、綺麗に仕上げていきます。

357_2.jpg

ということで、かんせい〜!

357_4.jpg

型紙づくりから全てご自身おひとりで進めてきました。

357_7.jpg


357_6.jpg


357_8.jpg

こちらは、合間に進めていた、同素材で作った“杖入れ”用の巾着・・・。
嬉しいおまけですね。


357_9.jpg

お母さま、喜んでくれそうですね。

2017年09月05日

Aさん追っかけ記録@〜お母さまへのバッグを作成〜の巻

今作で16作目になるベテランAさん・・・。

357_1.jpg

次はお母さまへのショルダーバッグを作成するみたいですね・・。

Aさん母ショルダーバッグ⓵.jpg

こちらが作成予定のバッグの写真で・・・、

Aさん母ショルダーバッグA.jpg

こちらが、ご自身で作成された型紙を基に革を裁断したところ・・・。

もう私への質問なしに、サクッとご自宅で仕上げてきてしまいました。

Aさん母ショルダーバッグB.jpg

内装部も、段取り良く仕上げていきます。

Aさん母ショルダーバッグC.jpg

こちらは、前胴部分の外付けファスナーポケット・・・。
入れ口部を2つ折りにすることで、完成時にはファスナーが隠れるような構造になってます。

なかなか工夫されてますな〜。

Aさん母ショルダーバッグD.jpg

こちらはショルダー(肩紐)部のミシン掛け・・・。

表面はバッグ本体と同じ革を使い、裏地はPPテープを充て縫い合わせているようです。

もちろん両面革でもいいのですが、裏面が革だと(素材にもよりますが・・)肩に掛けたときに“滑り落ちやすい”といったこと、よくあると思います。

女性の方や、男性でもいわゆる“なで肩”の方なんかは経験があるのではないでしょうか・・。

今回のようにPPテープやアクリルテープを使うと、そういった心配は少なくなります。

Aさん母ショルダーバッグE.jpg

ご自身で購入されてきた革は、ご覧のようなシボあり“ピンクベージュ”で厚みは1.8o程でしょうか・・・。

マチや底面等、一部スライサーを芯として貼り合わせ“張り”を持たせております。

Aさん母ショルダーバッグF.jpg

底マチには飾りとしてクロスのステッチを掛け、次回完成を目指します。

2017年08月19日

Tさん追っかけ記録A(長財布・束入れ編)〜小技満載の長財布が完成っ!の巻

前回のブログ、Tさんの長財布の続きです。

今回は“磨き”ではなく、“ヘリ返し”で進めるということで以前ご紹介しました。

ヘリ返しにも2通りあって、返された裏面が裏地に覆われて完全に隠れてしまうパターンと、裏地を巻き込むことでヘリ返された裏面が見えてしまうパターンとがあります。

一般的なカバンや靴ではほとんどが前者のパターンなのですが、お財布等の小物ではあまり厚みを出せないので、後者で進めたものも多く見受けられます。

後者の場合は見た目も重要になってくるため、少し技術的に難しいのですが、この技法を一般的に“菊寄せ”といいます。

で、今回は難しい方の後者、“菊寄せ”に挑戦することになっております。

Tさん長財布I.jpg

いきなり本番、というには少し難しい技なので、まずは練習です。

Tさん長財布J.jpg

財布に見立てた革と心材をいくつか用意し、本番さながら猛練習・・・・。

菊寄せには、本来“刻み捻”という専用の道具があるのですが、切れなくなった包丁でも代用可能です。

Tさん長財布K.jpg

おっ!四隅 × 2枚 つまり8回ほどの練習ですが、いい感じに仕上がってきましたね〜。

今回は、この“菊寄せ”といい、風琴マチの一種・“渡りマチ”といい、小技満載の長財布になりそうです。

Tさん長財布L.jpg

ということで、早速本番へ・・・。

Tさん長財布M.jpg

最後にグルリを縫い上げて・・・、

Tさん長財布N.jpg

完成〜!

356_7.jpg

356_5.jpg

こちら、初チャレンジの“渡りマチ”・・・。

356_4.jpg

菊寄せも、初めての割には上手に出来たのではないでしょうか。

356_8.jpg

お父さん、喜んでくれるといいですねっ!

2017年08月08日

Tさん追っかけ記録@(長財布・束入れ編)〜革小物は“漉き”が命っ!の巻

先月、お父様への誕生日プレゼントとして“箱マチ”の小銭入れを完成させたTさん・・・。

356_1.jpg

“小銭入れだけだとチョット寂しいので、長財布も合わせて作りたい・・・。”

ということで、早速“束入れ”に挑戦です。

Tさん長財布⓵.jpg

因みに、こちらがその型紙・・・。
小銭入れが型紙3つだけだったのに対し、今回はなんと18個っ!!

誕生日に間に合わないよ〜!

とお伝えしましたが、

“大丈夫です、取り敢えず誕生日には小銭入れだけ渡しておいて、後で追っかけで渡しますっ!”

と・・・・、更には、

“その方が、2回喜んでくれるし、喜んでくれる期間も長くなりますから〜。”

なるほど・・・、孝行娘やな〜。


まずは、カード入れ部分を・・・。

Tさん長財布A.jpg

カードポケットとには、丁寧に“玉捻”を引き・・・、

Tさん長財布B.jpg

裏地を(今回はシャンタンを使用)ミシンで縫い進めていきます。

Tさん長財布C.jpg

因みに、革は小銭入れと同じ高級皮革“栃木レザー”を使っております。

Tさん長財布D.jpg

こちらは“胴表”部分・・・。
タンニンなので磨きでもいいのですが、今回は敢えて手間のかかる“ヘリ返し”仕様で・・・。

こういった革小物は、いわゆる“漉き”がとっても重要になってきます。

“カード段”や“マチ”部分等、たくさんの革や裏地が重なり合い、それを“ヘリ返し”によって包むように糊止め・縫い上げていくので、如何に薄く、且つ強度を壊さずに漉いていくか・・・。

0.2oにすべきか、0.4o位がいいのか・・・、場所や革の質によって見極めていく必要があります。

まさに“革漉き”が命っ!!、というわけです。

Tさん長財布E.jpg

こちらは胴表の裏(床)面・・・。
周りの、ヘリ返しの為の“斜め漉き”だけでなく、上下2段に渡って約20o幅で“段漉き”(折れ漉きともいいます)も施しております。

この辺はチョット難易度が高いので、こちらで漉きを施しております。

Tさん長財布F.jpg

更には“前段”を作り・・・、

そして、今回初挑戦となる、例の“風琴マチ”・・・。
正確には“風琴マチ”の一種といわれる“渡りマチ”といわれる部分へ・・。

小物づくりにおいて“マチ”には、様々なタイプがあります。
前回Tさんが作った小銭入れの“箱マチ”もそうですが、その他“笹マチ”や“通しマチ”、“アコーディオンマチ(扇マチ)”等、色んなのがあります。

一般的なお財布での札入れ部分は、主には“マチ無し”が殆どで、あったとしても“通しマチ”や“扇マチ”が多いのですが、これらの特徴は折りたたまれるマチが“谷”状になる(つまり仕切りが山状になる)のに対し、今回の“渡りマチ”は折れ曲がる部分が“山”状になる(つまり仕切りが谷状になる)ため、紙幣の出し入れがし易い、といった特徴があるわけです。

まあ、その分難しいのですが・・・。

Tさん長財布G.jpg

さあ、Tさん、上手く仕上がるかな・・・?

完成が楽しみです。

2017年08月03日

Tさん追っかけ記録A(ショルダーバッグ編)〜ひとつの鞄で色々な技にチャレンジっ!の巻

前回ご登場のIさん・・・。
当初“ハンドバッグ編”となっておりましたが、ショルダーの間違いでした・・。スミマセン・・・。

TさんハンドバッグG.jpg

ということで、いきなりですがショルダーのベルト部分のショットです。

今回は、同じ革を表裏貼り合わせる形ですが、表側は“ヘリ返し”をし、裏は“市切り”で切り落とすパターンで進めるようです。

いずれも、漉き機でいわゆる“ゼロ漉き”を施す必要がありますが、これだけ長いとちょっとドキドキですが・・・・・、
なんとか上手く漉けたようですね・・・。

TさんハンドバッグH.jpg

150o位でしょうか・・・・、この長さだと一枚では取り切れない場合もありますので、途中でツギハギしております。
売り物のバッグ等でも時折こういうケースはありますので、問題はないと思われます。

また、長さ調節をする為、今回は“コキカン”を取り付けるみたいですね。

TさんハンドバッグL.jpg

外縫いのマチには“ダーツ”を入れて、立体感を演出です。
そしていよいよ、マチと胴を縫い上げて・・・、

TさんハンドバッグI.jpg

更には、カブセ(蓋)部分の表と裏を縫い合わせ・・・、

TさんハンドバッグJ.jpg

良い感じに仕上がってきました・・・。
丸鋲や、“飾りミシン”等・・・、今回は遊び心が満載です。

TさんハンドバッグK.jpg

今回のバッグは、いわゆる“落とし”もしくは“落とし込み”といわれるパターンの作りとなっております。
つまり、表(外側)と裏(内側)をそれぞれ別々に作り、最後に開口部を縫い合わせて仕上げる方法です。


TさんハンドバッグM.jpg

その開口部を最後に縫い上げ・・・、

355_2.jpg

完成〜!

355_4.jpg


355_6.jpg

背胴側には、ファスナーポケットが・・・、

355_7.jpg

また内側にもファスナーポケットを付け、より使い勝手を考えております。

355_1.jpg

今回は、ひとつの鞄で色々な技にチャレンジできたみたいで、かなりスキルアップできたようですね。

Iさん、この流れで次作はお母さまにバッグを作られるそうです。

2017年07月25日

Iさん追っかけ記録⓵(ショルダーバッグ編)〜飾りを付ける余裕も出てきましたっ!の巻

かばん作りを始めて1年ほどのTさん・・・。

Tさんハンドバッグ@.jpg

前作で旦那さまへのトートバッグを仕上げて、次はご自身のショルダーバッグ作りに挑戦です。
ご自身で購入されてきた、黒のシボありの革を使っていきます。
1.0o強で柔らかめの革なので、ソフトな印象のショルダーバッグにはちょうどいい感じのチョイスですね・・。

まずは、“カブセ”(蓋)につける“テング”といわれる持ち手部分から・・・。
最終的にはマグネットで留めるパターンにするみたいですね・・。

TさんハンドバッグA.jpg

こちらは、“丸カン”を縫い付けて・・・、因みに左の茶色のバッグが今回の参考にしているご自身ご愛用のバッグ・・。

TさんハンドバッグB.jpg

で、これら2つを組み合わせて・・・、

TさんハンドバッグC.jpg

お〜、なんかいい感じっ!
前作のトートバッグは、本体構造を組み立てるのに精いっぱいでしたが、細やかな飾り部分にもコダワル余裕が出てきましたねっ!

因みに、本体部分の型紙はこんな感じです。


TさんハンドバッグD.jpg

全てIさんご自身で型紙引きましたよ。
もう完璧ですねっ!

TさんハンドバッグE.jpg

こちらは、いわゆる“背胴”の部分・・・。ファスナー付きポケットを付けて使い良さもしっかり追及です。

TさんハンドバッグF.jpg

本体、内装部も含めおおよそのパーツが出そろいました。

次回いよいよ本体組み立て〜完成を目指します。

2017年07月07日

Mさん追っかけ記録A(ショルダーバッグ編)〜やはり手縫いは性に合ってるのかも・・の巻

先月ご登場いただいたMさんショルダーバッグ編の第二弾・・。
※因みに追っかけ記録@はこちら⇒http://sakaiworks-bag.sblo.jp/archives/20170607-1.html

今回は一切ミシンを使わず、総手縫いにて仕上げることにしたMさん・・・。

Mさん手縫いショルダーB.jpg

前回は前胴の外付けポケットの“カブセ”を縫い付けたところまででした・・。

Mさん手縫いショルダーL.jpg

今回のショルダーは、この外付けポッケに本体のカブセの錠前が付きますので、位置をしっかり確認して取り付けます。

Mさん手縫いショルダーM.jpg

今回の錠前は“割ピン”式で、写真のように座金に固定していきます。

で、このままでは金具が丸見え状態になってしまうので・・・、

Mさん手縫いショルダーN.jpg

この様に薄く漉いた革を糊で留めておきます。
見た目の問題はもちろんですが、このままですと座金や割ピンの足が反対側の革にダイレクトに当たり、革に傷がついてしまうのでそれを防ぐ目的も兼ねています。

Mさん手縫いショルダーO.jpg

その後、本体カブセの方にも金具を取り付け・・・、

Mさん手縫いショルダーP.jpg

ようやく本体部分が完成しました。

そして、最後に肩紐、尾錠、ナスカンなどを作成し・・・、

347_2.jpg

完成〜!

347_4.jpg


347_8.jpg

まだ、ヌメ革の本来の色のままですが、これからいい感じに育ててください。

Mさん手縫いショルダーQ.jpg

ということで、次の教室から早速ご活用・・・。

Mさん、鞄作りは2年近く続けてきたので、次作はまた靴作りへと戻るそう・・・。

ずっと、チクチク・・チクチク・・と手縫いを続けてきたので、そろそろ飽きてきたのかと思いきや、
今度は“マイ木型”を購入し、ハンドソーンウエルト製法に挑戦・・・。

また“手縫い地獄”?が待ってますよっ。

2017年06月07日

Mさん追っかけ記録@(ショルダーバッグ編)〜今回はミシンは使いませんっ!の巻

前回、自前の黒のタンニンレザーでトートバッグを完成させたMさん・・。

Mさん手縫いショルダー@.jpg

今回はミシンは一切使わず、“総手縫い”にてショルダーバッグの完成を目指しております。
革はやはりご自身で購入されてきた、約3o厚のヌメ革を贅沢に使用・・・。

Mさん手縫いショルダーD.jpg

外付けのポケット部分まではいい感じで仕上がっております。

因みに、こちらが現在Mさんが日頃使っているショルダーバッグ・・。

Mさん手縫いショルダーI.jpg

良い感じで“経年変化”しており、良い色に育ってますな〜

Mさん手縫いショルダーJ.jpg

知り合いの職人さんに作っていただいたもののようなのですが、少しサイズが小さく容量をもう少し持たせたい、ということで、この鞄を参考にしながらサイズを変え型紙からご自身で作成しております。

Mさん手縫いショルダーE.jpg

構造はいわゆる“通し胴”タイプといわれるもので、前胴・底・背胴からカブセ(蓋部分)までが一体となった作りとなっております。

Mさん手縫いショルダーF.jpg

前胴にまずは外付けポケットを縫い付け、その後横マチをそれぞれ“外縫い”にてチクチクと縫い進めております。

Mさん手縫いショルダーG.jpg

こちらは、外付けポッケのカブセ部分・・・。

Mさん手縫いショルダーH.jpg

貼りシロ部分を薄く漉いて、且つノリの付きがよくなるよう、銀を落としております。

Mさん手縫いショルダーK.jpg

ポッケの蓋とホックを取り付け・・・、

Mさん手縫いショルダーL.jpg

ここも手縫いにて・・・、今回は、ミシンは一か所も使わず仕上げる予定・・・。

あとは本体のカブセに錠前を、また肩紐ようのカンを側面に縫い付けていきます。

近日パートAで完成予定です。

2017年04月04日

ダンディSさん追っかけ記録A(カメラケース編)〜たまには“駒合わせ縫い”はいかが?の巻

前回に引き続き、Sさんカメラケース・・。

SさんカメラケースE.jpg

カメラ本体を支える部分です。

SさんカメラケースF.jpg

これまでと違うところは底面と側面のステッチ・・・。
一見同じような感じですが、ここだけは『駒合わせ縫い』という方法で縫ってます。

一般的な『平縫い』といわれるステッチは縫い目の数を合わせる必要があります。

平縫い.jpg

分かりにくいので上の図で説明すると、側面の革と底面の革の穴の数はそれぞれ8つです。
ところが側面革(外)と底面革(内)では、外径と内径で差が生じますがそのズレを解消するために、カーブの部分では内側の穴のピッチを小さく(3〜4o)しています。

ところが『駒合わせ縫い』は縫い目の数は無視して縫い合わせる方法です。

駒合わせ縫い.jpg

側面(外側)の革の穴が8つに対して、底面(内側)の穴は7つ・・・、一つ少ないです。
基本的にステッチは穴が対になっていなければならないのですが、今回のようにカーブが急だったりする場合はこのように角の部分で帳尻を合わせるように縫い進めていきます。

分かるかな・・・?

ということで、本体ケース部分も完成〜!

SさんカメラケースM.jpg

で、こちらは“コンチョ式”のジャンパホック・・。

SさんカメラケースP.jpg

いい感じで取り付けて・・・、

SさんカメラケースQ.jpg

ストラップ部分だけは時間短縮の為、ミシンでダッダッダッ〜と・・。

SさんカメラケースR.jpg

で最後に染色をして・・、

SさんカメラケースS.jpg

完成〜!

333_1.jpg


こちらはカバー部分・・。

333_2.jpg

で、本体&ストラップ・・・。

333_5.jpg

333_4.jpg

333_7.jpg

これからのお花見&行楽シーズンに大活躍してくれそうですな・・。

2017年03月21日

ダンディSさん追っかけ記録@(カメラケース編)〜革小物でも吊り込みはするんですっ!の巻

靴もカバンもおおよその作り方を理解してこられたダンディSさん・・・。

SさんカメラケースN.jpg

ハンドソーンウエルトの靴(ブーツ)を作って以来、すっかり“手縫い付い”てしまったSさんですが、今作も総手縫いにて・・・、

Sさんカメラケース@.jpg

こんな感じの“カメラケース”を作りたいというこで、今回ご登場いただきました。

以前、ご家族の方が使っていたというヌメ革の“残り革”を利用したい、ということで、経費削減です。

SさんカメラケースO.jpg

これをご自身で“いい感じ”に染めてみたいということで、染にも初挑戦です。

SさんカメラケースH.jpg

こちらが今回の型紙・・・。ちゃんとご自身のカメラを採寸してます。

で、Sさん、気になったのがレンズの出っ張り部分(上のサンプル写真・左側のふくらみ部分)・・・。どうしてもここの構造がイマイチよく分からないとのこと・・・。

実は、ここは以前やった靴づくりの技術が役に立つところ・・・。そう“吊り込み”をするんです。
靴の場合は、“木型”というものに革を添わせて、いわゆる“癖付け”をするわけですが、このパーツもその要領で仕上げていきます。

で、Sさんのカメラのレンズ部分を採寸をしてみると、なんとっ!・・、

SさんカメラケースA.jpg

これが、丁度“いい感じ”のサイズであることが判明〜。そう革の“コバ磨き”に使う木製ヘリ磨き・・。
ということで使っちゃいましょっ!

革を水で濡らして早速つり込み〜※生憎吊り込み状態の写真撮り忘れてしまいました・・・。

SさんカメラケースB.jpg

メンダコ.jpg

なんだか、“深海生物っぽい”感じに仕上がってきましたよ。

SさんカメラケースD.jpg

で、深海生物の触手?か足っぽいところを“ゼロ漉き”にして・・・、

SさんカメラケースC.jpg

パコッっと・・、

SさんカメラケースJ.jpg

こういうことですね。

SさんカメラケースI.jpg

でもって、裏を貼って・・・、

SさんカメラケースK.jpg

3oピッチの菱目貫きで穴を開け〜の・・・、

SさんカメラケースL.jpg

チクチクチクと・・・。

次回はカメラ本体の土台部分を仕上げていきます。

2016年12月01日

Aさん追っかけ記録A(ハンドバッグ編)〜ミシンは極めました〜の巻

前回から引き続き、Aさん追っかけ記録です。
309_1.jpg

いよいよ胴とマチの内縫いミシン掛け・・・。
いつもはクラッチモーターのte-5を使うAさんですが、今回はより慎重に・・・、ということで、足踏みのte-6にて一目一目丁寧に縫い進めていきます。

AさんハンドバッグJ.jpg

お〜、綺麗に縫えました〜。

AさんハンドバッグK.jpg

玉縁ちも綺麗に仕上がりましたね。

AさんハンドバッグL.jpg

次は、底マチに穴を開けて・・・、

AさんハンドバッグM.jpg

ゴールドの底鋲を5つ・・・。

AさんハンドバッグN.jpg

内装はお家で既に仕上げてきていたようで、後は本体と縫い付けるだけのようです。
今回は“見付け”にファスナーマチを縫い付けたパターンで、初めてチャレンジする形ですが、しっかり構造が頭に入っているようで、サクッと仕上げてきました。さすがAさん・・・。

AさんハンドバッグO.jpg

外側と内側、更には入れ口のバイアス革を巻き付けて、最後のミシン縫いへ・・。

入れ口のバイアスについては、以前もご紹介しましたが、通常の“送り”と“抑え”では綺麗に縫えないので、いわゆる“逆抑え”を付け直しての縫いとなり、これも今回初めてのチャレンジ・・・。

AさんハンドバッグP.jpg

しかし、既にミシンを極めた感のあるAさんにとっては、関係ないっ!
サラッと縫い上げていきます。

309_thumb.jpg

でもって完成〜!

309_4.jpg

309_5.jpg

持ち手もしっかり“張り”が出ていい感じです。

309_6.jpg

内装もバッチリ・・。

309_7.jpg

両開きのファスナーで仕上げてみました。

309_10.jpg

最後のバイアスのミシンステッチも、ピッチのムラも少なく綺麗に仕上がってます。

309_11.jpg

なかなか完成度の高いバッグに仕上がりました。
Aさん、おめでとうございます!

2016年11月18日

Aさん追っかけ記録@(ハンドバッグ編)〜秘密兵器でコバを極める〜の巻

今月で丁度かばん歴1年となるAさん・・・。

Aさんハンドバッグ@.jpg

手際よく、次々とバッグや革小物を量産してますが、今回はピンクベージュとブラウンの革を使ったハンドバッグに挑戦中です。

AさんハンドバッグA.jpg

革用のミシンの扱いもかなり様になってきました。

今回初めて、芯を入れた持ち手づくりにも挑戦・・・。

AさんハンドバッグB.jpg

クロム鞣しの革なので、コバ処理については“染料”⇒“磨き”、ではなくバスコ等の“顔料”を塗ることに・・。

この作業、筆などを使ってやるとあまり綺麗に仕上がらないのですが、なにやら“秘密兵器”をご自身で購入してきたよう・・。

AさんハンドバッグC.jpg

下のドリルのような道具がそうで、顔料をコロコロと転がしながらコバに塗っていくようです。

因みに市販のものは、“コバ塗り機”という機械で仕上げているようで、機械故見た目も綺麗に仕上がっています。
実際に見たわけではないのでよくは分かりませんが、多分如何に顔料を“綺麗に表面張力”させるか、で見た目が変わってくるのかな、と・・・。
粘度のある顔料をたっぷり塗り、表面張力させ、しっかり乾かすと確かに綺麗になるのですが、とにかく手間と時間がかかります。持ち手が長くなれば尚更ですが・・・。

ウム・・、確かに筆で塗るよりは綺麗に仕上がってるようですな・・。

で、一週間後・・、
AさんハンドバッグD.jpg

なにやら、先週の出来にイマイチ満足できなかったのか、お家で更に綺麗に仕上げてきました。

AさんハンドバッグE.jpg

おぉ〜、超きれい〜!

AさんハンドバッグF.jpg

なかなか優れもののようです。

AさんハンドバッグG.jpg

その後、無事に持ち手を縫い付け・・・、

AさんハンドバッグH.jpg

AさんハンドバッグI.jpg

次回、いよいよ胴とマチの内縫いに突入です。