2012年から7年続けてきたこちらのブログですが、昨年新しいホームページが出来上がった為、下記へお引越しさせていただきます。
➭https://sakaiworks.info/blog/
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
2019年07月11日
2018年11月03日
ボディバッグ完成〜!
2018年10月17日
オーダー用ボディバッグ試作
10年程使ってきたボディバッグに少し飽きてきたので、オーダーメイド用のモノを試作がてらひとつ作ってみることに・・。

こちらが型紙・・・。
前胴にタックを入れてみたり、マチの前側と後ろ側の長さを替えることにより、マチ上部が“斜め”になるような感じで・・・。
一般的なボディバッグにありがちな、単純な“直方体”ではなく、多角的立体とでも言いますか・・・。
因みに革は、靴とのコンビネーションということで、これまでも度々登場してきた“ディナオイル絞り”の濃茶を使ってみました。

こちらがマチです。
直線ではなく少しカーブさせることにより、マチ上部に傾斜を付ける感じですね。

マチに裏地を付け(今回はミンクスウェードのベージュを使用)、右側が前胴になります。

裏地の色が、マチと胴で違って見えますが同じ素材です。
光の加減で様々な色味になるのが、こちらのミンクスウェードの特徴ですが、糊などが付くと汚れが目立つので注意が必要ですね。

ということで、胴とマチを縫い上げていきます。

今回、前胴は内縫いになるので“玉縁ち”仕様で縫ってみることに・・・。
今回の革は、かなり厚みにムラがあり“漉き”をどうするか悩みましたが、セオリー通り、幅10o・1.0o厚の段漉をしました。
が、最後の内側バイアス縫いで少し苦戦しました。
本作では0.8o厚にした方が良さそうですね・・・。

この後は、背胴を貼合わせます。
たまたま今、0.4oと0.8oのボンテックスしか無かったので、0.6oのナンポウを心材として使ってみましたが、少し柔らかすぎたかもしれません。
こちらも本作では0.6oのボンテックスを使う方が、ハリもでて良さそうな感じです。


一気に仕上げようかと思いましたが、ベルトに合う“コキカン”を切らしてしまっていた為、完成は次回に持ち越しとなります。

こちらが型紙・・・。
前胴にタックを入れてみたり、マチの前側と後ろ側の長さを替えることにより、マチ上部が“斜め”になるような感じで・・・。
一般的なボディバッグにありがちな、単純な“直方体”ではなく、多角的立体とでも言いますか・・・。
因みに革は、靴とのコンビネーションということで、これまでも度々登場してきた“ディナオイル絞り”の濃茶を使ってみました。

こちらがマチです。
直線ではなく少しカーブさせることにより、マチ上部に傾斜を付ける感じですね。

マチに裏地を付け(今回はミンクスウェードのベージュを使用)、右側が前胴になります。

裏地の色が、マチと胴で違って見えますが同じ素材です。
光の加減で様々な色味になるのが、こちらのミンクスウェードの特徴ですが、糊などが付くと汚れが目立つので注意が必要ですね。

ということで、胴とマチを縫い上げていきます。

今回、前胴は内縫いになるので“玉縁ち”仕様で縫ってみることに・・・。
今回の革は、かなり厚みにムラがあり“漉き”をどうするか悩みましたが、セオリー通り、幅10o・1.0o厚の段漉をしました。
が、最後の内側バイアス縫いで少し苦戦しました。
本作では0.8o厚にした方が良さそうですね・・・。

この後は、背胴を貼合わせます。
たまたま今、0.4oと0.8oのボンテックスしか無かったので、0.6oのナンポウを心材として使ってみましたが、少し柔らかすぎたかもしれません。
こちらも本作では0.6oのボンテックスを使う方が、ハリもでて良さそうな感じです。


一気に仕上げようかと思いましたが、ベルトに合う“コキカン”を切らしてしまっていた為、完成は次回に持ち越しとなります。
2018年07月27日
オイル絞りの革でスマホケースを作ってみた。
これまでも靴やバッグで時々使用してきた“ディナオイル絞り”という革・・。
多脂ヌメを一枚一枚手絞り加工している、独特な表情のタンニンレザーですが、

この度6色全て揃えてみました。
左から、黒、ダークブラウン、ネイビー、ワインレッド、ライトブラウン、ブラウン・・。

ということで、先日新しくスマホを入手したので、早速スマホケースを作ってみることに・・・。

ミシンにしようか迷ったのですが、今回は手縫い仕様で・・・。

チクチク、チクチク、チクチクチク・・・・と、

左側にはカードポケットを・・・、

最後にグルリを縫い付けて・・・、

完成〜!

これまでブログ等では400万画素のデジカメで撮ってきたものを使ってきましたが、流石1600万画素・・。
是非写真をクリックしてみて下さい。
もうこれまでみたいにボケボケではありませんので・・・。

いい感じです。

靴も含め、暫くはこの革が活躍しそうです。
多脂ヌメを一枚一枚手絞り加工している、独特な表情のタンニンレザーですが、

この度6色全て揃えてみました。
左から、黒、ダークブラウン、ネイビー、ワインレッド、ライトブラウン、ブラウン・・。

ということで、先日新しくスマホを入手したので、早速スマホケースを作ってみることに・・・。

ミシンにしようか迷ったのですが、今回は手縫い仕様で・・・。

チクチク、チクチク、チクチクチク・・・・と、

左側にはカードポケットを・・・、

最後にグルリを縫い付けて・・・、

完成〜!

これまでブログ等では400万画素のデジカメで撮ってきたものを使ってきましたが、流石1600万画素・・。
是非写真をクリックしてみて下さい。
もうこれまでみたいにボケボケではありませんので・・・。

いい感じです。

靴も含め、暫くはこの革が活躍しそうです。
2018年03月29日
スフマート染色で小銭入れ
先月は、グレー(単色)と紺色(+空色)でラウンドファスナーを手染めしましたが・・・、
これまでは靴も含め刷毛を使って染めましたが、今回は指と布を使った方法で小銭入れを作ってみることに。

まずは黄色+茶色・・・。
最初は黄色を段階を経て入れていき、次第に茶を混ぜながら色を重ねていきます。
この様な染色方法を単に“ぼかし”とか“スフマート染色”といい、古くはダ・ヴィンチのモナリザなどにも使われていた絵画の技法のひとつです。

もう片方は、黄土色+牡丹の合わせ技・・・。

こちらは、マチ部分ですね・・・。
一番手前のモノは空色の単色ですが、やはり“ぼかし”をいれてます。

こんな感じで組み立てて・・・、
本来はミシンで一気に縫い上げる予定でしたが、茶系のモノはアルコール染料を使った影響か、革がやや堅くなっておりミシンで縫いにくくなってしまったので、

最後の胴回りのみ手縫いをしていくことに・・・。

チクチクチク・・・。

こちらは、紫+黒を入れてます。
以前靴を染める際、グレー+黒で失敗し、結果真っ黒にしてしまったので、今回は慎重に・・・。
しかし慎重すぎて、結果あまり黒が反映されておりませんが・・・。

イメージとしては、全体的にもっと明暗をはっきりと出したかったのですが・・・。
前回のラウンドファスナーに関しては、色が入りすぎてしまいましたが、今回は逆に少し弱かったようです。
ただ、大分感じがつかめてきたので、次回は理想的な色が出せそうな予感・・・。

こちらは“黄”+“茶”(アルコール染料)。

こちらは“黄土”+“牡丹”(水溶性染料)・・・。ギブソンのレスポールをイメージしてみました。

こちらは“空”(水溶性)単色・・・。
前回、これに“紺”を入れて濃くなり過ぎたので今回は単色で染めてみましたが、やや深みが足りないですね・・・。

右の“紫”は後半“黒”を入れているのですが、ちょっとビビってしまったのか、メリハリが弱いかな・・・。
いずれにしても、前回・今回でかなり要領は掴めてきましたので、次回更に理想に近づけていこうと思います。
これまでは靴も含め刷毛を使って染めましたが、今回は指と布を使った方法で小銭入れを作ってみることに。

まずは黄色+茶色・・・。
最初は黄色を段階を経て入れていき、次第に茶を混ぜながら色を重ねていきます。
この様な染色方法を単に“ぼかし”とか“スフマート染色”といい、古くはダ・ヴィンチのモナリザなどにも使われていた絵画の技法のひとつです。

もう片方は、黄土色+牡丹の合わせ技・・・。

こちらは、マチ部分ですね・・・。
一番手前のモノは空色の単色ですが、やはり“ぼかし”をいれてます。

こんな感じで組み立てて・・・、
本来はミシンで一気に縫い上げる予定でしたが、茶系のモノはアルコール染料を使った影響か、革がやや堅くなっておりミシンで縫いにくくなってしまったので、

最後の胴回りのみ手縫いをしていくことに・・・。

チクチクチク・・・。

こちらは、紫+黒を入れてます。
以前靴を染める際、グレー+黒で失敗し、結果真っ黒にしてしまったので、今回は慎重に・・・。
しかし慎重すぎて、結果あまり黒が反映されておりませんが・・・。

イメージとしては、全体的にもっと明暗をはっきりと出したかったのですが・・・。
前回のラウンドファスナーに関しては、色が入りすぎてしまいましたが、今回は逆に少し弱かったようです。
ただ、大分感じがつかめてきたので、次回は理想的な色が出せそうな予感・・・。

こちらは“黄”+“茶”(アルコール染料)。

こちらは“黄土”+“牡丹”(水溶性染料)・・・。ギブソンのレスポールをイメージしてみました。

こちらは“空”(水溶性)単色・・・。
前回、これに“紺”を入れて濃くなり過ぎたので今回は単色で染めてみましたが、やや深みが足りないですね・・・。

右の“紫”は後半“黒”を入れているのですが、ちょっとビビってしまったのか、メリハリが弱いかな・・・。
いずれにしても、前回・今回でかなり要領は掴めてきましたので、次回更に理想に近づけていこうと思います。

2018年03月08日
ダレスバッグ作りB〜縫製から完成編
さて、それぞれのパーツの下処理が済んだのでいよいよ組み立てです。

まずは底マチと横マチを縫い合わせていきます。

この辺りはミシンでも縫えなくはないのですが、今回は全て手縫いにて進めることに・・。

その後、内部の仕切り板をマチの革で挟み込むようにして糊で留め、縫い進めます。

革には既に菱目抜きで穴が空いていますが、中仕切り板にはこの段階ではまだ穴が空いていません。
なので、このように革の穴をガイドにしながら菱目キリで仕切り板に穴を開けながら縫い進めていきます。
右利きの場合、右手側からキリで穴を開け・・・、

そのキリを抜きながら左手の針をまず差し込み・・、

右手側からも針を通します。

この時、左右の針の位置関係(今回の場合左手が下で右手が上・・)をずっと繰り返して縫い進めていくことが重要です。
同じルーティーンを繰り返していかないと、綺麗な縫い目にならないからです。

中仕切り板とマチが縫いあがりました。

その後は前・背の胴を貼り合わせ・・・、

同様にチクチク・・チクチク・・チクと・・。

最後は、胴口周りに口金を貼り合わせ・・・、

またしてもチクチク・・・チクチク・・チクチク・・・・・・・・・・。
この手縫い作業・・・、大変そうに見えるかもしれません・・・。
いや実際大変ではあるのですが、やったことのある人はお分かりだと思いますが、なぜか止められません。
多分、作業中大量のドーパミンが出ているからだと思います。
以前も書いたことがありますが、中国のメダリスト達は休憩時間を使って刺繍や手編みを積極的に行っており、それが選手のパフォーマンスを上げる重要な要素として認められ、強化合宿等のプログラムに取り入れられているとのこと・・・。
また逆にドーパミンが低下すると、物事への関心が低下します。ドーパミンの不足による病気にはパーキンソン病があり、運動の調整や姿勢の維持、さらに多様な自律神経症状が出る病気として知られています。

ということで、完成〜!

ただし、綺麗なステッチにならないと逆にストレスを感じますので、正しい基礎知識で是非チャレンジしてみて下さい。


まずは底マチと横マチを縫い合わせていきます。

この辺りはミシンでも縫えなくはないのですが、今回は全て手縫いにて進めることに・・。

その後、内部の仕切り板をマチの革で挟み込むようにして糊で留め、縫い進めます。

革には既に菱目抜きで穴が空いていますが、中仕切り板にはこの段階ではまだ穴が空いていません。
なので、このように革の穴をガイドにしながら菱目キリで仕切り板に穴を開けながら縫い進めていきます。
右利きの場合、右手側からキリで穴を開け・・・、

そのキリを抜きながら左手の針をまず差し込み・・、

右手側からも針を通します。

この時、左右の針の位置関係(今回の場合左手が下で右手が上・・)をずっと繰り返して縫い進めていくことが重要です。
同じルーティーンを繰り返していかないと、綺麗な縫い目にならないからです。

中仕切り板とマチが縫いあがりました。

その後は前・背の胴を貼り合わせ・・・、

同様にチクチク・・チクチク・・チクと・・。

最後は、胴口周りに口金を貼り合わせ・・・、

またしてもチクチク・・・チクチク・・チクチク・・・・・・・・・・。
この手縫い作業・・・、大変そうに見えるかもしれません・・・。
いや実際大変ではあるのですが、やったことのある人はお分かりだと思いますが、なぜか止められません。
多分、作業中大量のドーパミンが出ているからだと思います。
以前も書いたことがありますが、中国のメダリスト達は休憩時間を使って刺繍や手編みを積極的に行っており、それが選手のパフォーマンスを上げる重要な要素として認められ、強化合宿等のプログラムに取り入れられているとのこと・・・。
また逆にドーパミンが低下すると、物事への関心が低下します。ドーパミンの不足による病気にはパーキンソン病があり、運動の調整や姿勢の維持、さらに多様な自律神経症状が出る病気として知られています。

ということで、完成〜!

ただし、綺麗なステッチにならないと逆にストレスを感じますので、正しい基礎知識で是非チャレンジしてみて下さい。

2018年02月28日
ダレスバッグ作りA〜革の裁断編
続いては型紙を基に革の裁断です。
一般的にはもう少し大きいのですが、今回はサンプルということもあり、やや小さめに設定・・・。

断面の磨きが出来ない革質なので、心材をベースに“ヘリ返し”で仕上げていきます。

ですので、8o程のヘリ返しシロを採り“ゼロ漉き”+“段漉き”と2回に分けて漉きを施しております。

前・背胴には今回0.8oのボンテックスを心材として使ってみました。

金具の根革には、同じ“パビラス”の茶を使ってバイカラーで・・・。

根革部分だけは先に手縫いを施しておきます。
なぜなら裏地を付けてからだとステッチが裏地側に出てきてしまうためです。
同様の理由で、ダレスバッグの場合ここでベロを留める為の錠前を付けなければいけないのですが・・・、
この錠前をなかなか買いに行けず、(というか買う機会はいくらでもあったのですが・・・ずっと放置状態にしてしまって・・・)2年程空いてしまった、というのが真相です。
こちらは底マチ部分・・・。

多くのダレスで見られるのが、バッグ内部の仕切り板部分・・・。
この仕切りを底・横マチと一緒に縫っていくのですが、元厚のままだとかなり厚みが増し、作業効率・見た目ともに悪くなりますので、このように“部分漉き”を施しておきます。

このように漉き機の“抑え”を25oのモノに替えて・・、

こんな感じです。
最初は通常の漉きの仕方とは異なりますのでチョット難しいですが、慣れてしまえば・・・、
生徒さんでも何人かはこのパターンで漉きを行っております。
この部分漉きをマスターできると、かなり製作できる作品のバリエーションが広がりますので、まだの方は是非チャレンジしてみて下さい。

横マチの2枚も同様に漉いていき・・・、

裏地を貼り付け、それぞれのパーツの裁断作業は終了となります。
次回、いよいよ縫製作業へと入ってまいります。
一般的にはもう少し大きいのですが、今回はサンプルということもあり、やや小さめに設定・・・。

断面の磨きが出来ない革質なので、心材をベースに“ヘリ返し”で仕上げていきます。

ですので、8o程のヘリ返しシロを採り“ゼロ漉き”+“段漉き”と2回に分けて漉きを施しております。

前・背胴には今回0.8oのボンテックスを心材として使ってみました。

金具の根革には、同じ“パビラス”の茶を使ってバイカラーで・・・。

根革部分だけは先に手縫いを施しておきます。
なぜなら裏地を付けてからだとステッチが裏地側に出てきてしまうためです。
同様の理由で、ダレスバッグの場合ここでベロを留める為の錠前を付けなければいけないのですが・・・、
この錠前をなかなか買いに行けず、(というか買う機会はいくらでもあったのですが・・・ずっと放置状態にしてしまって・・・)2年程空いてしまった、というのが真相です。
こちらは底マチ部分・・・。

多くのダレスで見られるのが、バッグ内部の仕切り板部分・・・。
この仕切りを底・横マチと一緒に縫っていくのですが、元厚のままだとかなり厚みが増し、作業効率・見た目ともに悪くなりますので、このように“部分漉き”を施しておきます。

このように漉き機の“抑え”を25oのモノに替えて・・、

こんな感じです。
最初は通常の漉きの仕方とは異なりますのでチョット難しいですが、慣れてしまえば・・・、
生徒さんでも何人かはこのパターンで漉きを行っております。
この部分漉きをマスターできると、かなり製作できる作品のバリエーションが広がりますので、まだの方は是非チャレンジしてみて下さい。

横マチの2枚も同様に漉いていき・・・、

裏地を貼り付け、それぞれのパーツの裁断作業は終了となります。
次回、いよいよ縫製作業へと入ってまいります。
2018年02月27日
ダレスバッグ作り@〜金具作り編
2年程前ですか・・・・、
ダレスバッグのサンプル作りの記事を掲載しておりましたが、中途半端なところで終わったうえ、ずっとそのままになっておりましたので、3回くらいに分けて一気にご紹介です。
※2年前の記事⇒http://sakaiworks-bag.sblo.jp/archives/20150927-1.html
ここのところ、革手袋や帽子づくり、はたまた手染め等本来の鞄づくりからは少し離れた感じの記事が多かったので・・・、
そろそろ本業へと軌道修正です。
こちらは、以前購入した“ハンドベンダー”。

こちらを使ってダレスの口金部分を作成していきます。
浅草橋辺りへ出向けばダレスの口金は多少入手できますが、費用も掛かりますし、なんといってもサイズが限られてしまいます。
ホームセンターで入手できるアルミの平角棒であれば材料費は(数百円程度)だけで済みますし、またサイズ感も自在に決められます。

F型クランプでしっかりと固定し、

糸ノコでまずは切断です。
スチールだと少し手間が掛かりますが、アルミであれば差ほど難しくはありません。
ご自身で作るものであれば、外枠・内枠共にアルミ(3o厚)でも十分でしょう。

こちらはポンネジの穴あけ作業・・。
こちらもアルミであれば差ほど問題はないでしょう。
切断・穴あけが終わったら、断面を磨いて・・・、

ハンドベンダーで“曲げ”の作業に取り掛かります。
下の写真のように、まずは口金の型紙を作成します。

平角棒の厚み、長さ、幅等を決め図面を起こしていきます。
この時注意しなければならないのは、革の厚みも考慮したうえでの作図がひつようになるということです。
折角苦労して口金を作っても、革の厚み分を忘れてしまうとしっかりと“閉まらない”口金になってしまうので、ここは慎重に進める必要があります。
ハンドベンダーでの“曲げ”も写真のようにマジックで2〜3oおきに印をつけ、少しずつ曲げていくので、差ほど難しくはないと思います。

こちらは、口金の開閉の軸になる“ポンネジ”と呼ばれるものです。

ネジだけでもいいのですが、やはり金属部がむき出しになるのは見た目的に・・・、ということで、革で包みこんでます。

因みに、今回はサンプルということもありあまり高級革は使わず“パビラス”という多少起毛されたクロムの革を使用して作成していきます。

この様にしっかりと糊で口金を巻き込むように包み込み、金具部分が見えないように仕上げていきます。

ここまでで、取り敢えず口金部分は完成となります。

次回は革の裁断編へと進んでいきます。
ダレスバッグのサンプル作りの記事を掲載しておりましたが、中途半端なところで終わったうえ、ずっとそのままになっておりましたので、3回くらいに分けて一気にご紹介です。
※2年前の記事⇒http://sakaiworks-bag.sblo.jp/archives/20150927-1.html
ここのところ、革手袋や帽子づくり、はたまた手染め等本来の鞄づくりからは少し離れた感じの記事が多かったので・・・、
そろそろ本業へと軌道修正です。
こちらは、以前購入した“ハンドベンダー”。

こちらを使ってダレスの口金部分を作成していきます。
浅草橋辺りへ出向けばダレスの口金は多少入手できますが、費用も掛かりますし、なんといってもサイズが限られてしまいます。
ホームセンターで入手できるアルミの平角棒であれば材料費は(数百円程度)だけで済みますし、またサイズ感も自在に決められます。

F型クランプでしっかりと固定し、

糸ノコでまずは切断です。
スチールだと少し手間が掛かりますが、アルミであれば差ほど難しくはありません。
ご自身で作るものであれば、外枠・内枠共にアルミ(3o厚)でも十分でしょう。

こちらはポンネジの穴あけ作業・・。
こちらもアルミであれば差ほど問題はないでしょう。
切断・穴あけが終わったら、断面を磨いて・・・、

ハンドベンダーで“曲げ”の作業に取り掛かります。
下の写真のように、まずは口金の型紙を作成します。

平角棒の厚み、長さ、幅等を決め図面を起こしていきます。
この時注意しなければならないのは、革の厚みも考慮したうえでの作図がひつようになるということです。
折角苦労して口金を作っても、革の厚み分を忘れてしまうとしっかりと“閉まらない”口金になってしまうので、ここは慎重に進める必要があります。
ハンドベンダーでの“曲げ”も写真のようにマジックで2〜3oおきに印をつけ、少しずつ曲げていくので、差ほど難しくはないと思います。

こちらは、口金の開閉の軸になる“ポンネジ”と呼ばれるものです。

ネジだけでもいいのですが、やはり金属部がむき出しになるのは見た目的に・・・、ということで、革で包みこんでます。

因みに、今回はサンプルということもありあまり高級革は使わず“パビラス”という多少起毛されたクロムの革を使用して作成していきます。

この様にしっかりと糊で口金を巻き込むように包み込み、金具部分が見えないように仕上げていきます。

ここまでで、取り敢えず口金部分は完成となります。

次回は革の裁断編へと進んでいきます。
2018年01月27日
グレーの手染め、リベンジでラウンドファスナー作成
先週靴の手染めを行ったところ、思い通りのムラ感が出せず結果黒い靴になってしまったので、取り敢えずは革小物でリベンジです。

何回かに分けて色を入れ、乾かしているところ・・・。
今回はグレーだけでなく、“コバルトブルー”と“ネイビー”といった青系の色出しも行ってみました。

内側はベージュ系の革を持ってきて、表側とのメリハリをつける感じで・・。

小銭入れ部分、カード入れ部分、そしてマチを組み立てて・・・、

最後に、表胴とミシンで周囲を縫い合わせ・・・、

完成〜!

今回、グレーは初めて使いましたが、なかなか面白い色です。
2日位に分けて何度も重ね塗りをすることにより、色に奥行きを出しているのですが、塗る濃度によってはブラウン系に見えたり、ブルー系に見えたりと・・・。

色々と応用の効きそうな色味なので、今回は試験的に100tで買いましたが、次は500tで購入しておこうと思います。

ブルー系の方は、チョット濃すぎたかな・・。
気持ちとしては、もう少し明るめの“爽やか系”の青をイメージしていたのですが・・・、

少ししつこく入れ過ぎたよう・・。次回に期待です。

何回かに分けて色を入れ、乾かしているところ・・・。
今回はグレーだけでなく、“コバルトブルー”と“ネイビー”といった青系の色出しも行ってみました。

内側はベージュ系の革を持ってきて、表側とのメリハリをつける感じで・・。

小銭入れ部分、カード入れ部分、そしてマチを組み立てて・・・、

最後に、表胴とミシンで周囲を縫い合わせ・・・、

完成〜!

今回、グレーは初めて使いましたが、なかなか面白い色です。
2日位に分けて何度も重ね塗りをすることにより、色に奥行きを出しているのですが、塗る濃度によってはブラウン系に見えたり、ブルー系に見えたりと・・・。

色々と応用の効きそうな色味なので、今回は試験的に100tで買いましたが、次は500tで購入しておこうと思います。

ブルー系の方は、チョット濃すぎたかな・・。
気持ちとしては、もう少し明るめの“爽やか系”の青をイメージしていたのですが・・・、

少ししつこく入れ過ぎたよう・・。次回に期待です。
2017年12月18日
一枚の革で色々作ってみるB(ヘリ返しのバリエーション)〜2つ折り札入れ編
さて、“ヘリ返しのバリエーション”としてご紹介してきたこのシリーズも第B弾迄来ましたが・・・。
最終回の今回は『2つ折りの札入れ』となります。
実は5年程前に一度作成し、当ブログでもご紹介していたのですが(この時は試作の様子のみでしたが・・・。⇒http://sakaiworks-bag.sblo.jp/archives/20121016-1.html)
改めての登場です。
まずは“カード入れ”部分です。

前作・長財布のカード入れのパターンは一枚の革に切り込みを入れただけなので、革の重なりをさほど気にする必要はありませんでしたが、こちらは段々に重ねていく構造の為、より“革漉き”が重要になってきます。

最後の一枚を貼り、右側(財布の中央より)をミシンで縫い上げたところです。
因みに、今回も内装はライトベージュのシャンタンを使用しております。

右側のパーツは“小銭入れ”のマチ部分の一部を組み立てたところ・・・。

こちらは、小銭入れの“カブセ”(いわゆる蓋の部分)・・・。
最終的に、カブセ等の折り曲げて使うパーツは、このようにある程度癖付けをした状態でステッチを掛けていきます。

裏にはホック(正式には“ハンシャ”もしくは“隠しホック”といいます。)のオスをこの段階で付けておきます。
通常のホックであれば、後付けでも構いませんが、使用時に少しでも厚みを抑える為この場合“ハンシャ”の方がいいでしょう。

この部分は開け閉めでそれなりに負荷のかかるパーツとなりますので、“スライサー”や“テキソン”等の心材を入れております。

これで小銭入れ部分が完成しました。

財布の土台となる生地(“中”といわれます。)の中央に薄く全漉きした革“見付け”を貼り、その左に“カード入れ”、右側に“小銭入れ”を配置した状態です。
ようやくお財布っぽくなってきました。
札入れ部分も2層にしている為、もう一枚“中”を段差を付けて貼り合わせ、いよいよ最後に“胴”本体を縫い合わせていきます。

ここでも、前回ご紹介した“へり裁ち棒”が大活躍です。

こういった“革漉き”の技術で仕上がりが大きく変わるような革小物づくりには、欠かせない道具ですね。
ということで、完成〜!

小銭入れの裏(ハンシャ・オスの背中側)と、“中”から右側へのスペース・・・、

またカード入れの裏(中の左側)にもポケットがあるので、カード類なら10枚位は入ると思います。

“菊寄せ”も・・・、まずまずですが、まだまだ精進精進・・・。

ショルダーバッグ(クラッチとの2way仕様)から出てきた、財布類やブックカバーが全部同じ柄・・・・。
ちょっと話のタネになりそう・・・。
最初に書きましたが、革一枚の材料費は¥6,000弱ですので、こういった作り方も経済的で面白いと思いますが、いかがでしょうか?

最終回の今回は『2つ折りの札入れ』となります。
実は5年程前に一度作成し、当ブログでもご紹介していたのですが(この時は試作の様子のみでしたが・・・。⇒http://sakaiworks-bag.sblo.jp/archives/20121016-1.html)
改めての登場です。
まずは“カード入れ”部分です。

前作・長財布のカード入れのパターンは一枚の革に切り込みを入れただけなので、革の重なりをさほど気にする必要はありませんでしたが、こちらは段々に重ねていく構造の為、より“革漉き”が重要になってきます。

最後の一枚を貼り、右側(財布の中央より)をミシンで縫い上げたところです。
因みに、今回も内装はライトベージュのシャンタンを使用しております。

右側のパーツは“小銭入れ”のマチ部分の一部を組み立てたところ・・・。

こちらは、小銭入れの“カブセ”(いわゆる蓋の部分)・・・。
最終的に、カブセ等の折り曲げて使うパーツは、このようにある程度癖付けをした状態でステッチを掛けていきます。

裏にはホック(正式には“ハンシャ”もしくは“隠しホック”といいます。)のオスをこの段階で付けておきます。
通常のホックであれば、後付けでも構いませんが、使用時に少しでも厚みを抑える為この場合“ハンシャ”の方がいいでしょう。

この部分は開け閉めでそれなりに負荷のかかるパーツとなりますので、“スライサー”や“テキソン”等の心材を入れております。

これで小銭入れ部分が完成しました。

財布の土台となる生地(“中”といわれます。)の中央に薄く全漉きした革“見付け”を貼り、その左に“カード入れ”、右側に“小銭入れ”を配置した状態です。
ようやくお財布っぽくなってきました。
札入れ部分も2層にしている為、もう一枚“中”を段差を付けて貼り合わせ、いよいよ最後に“胴”本体を縫い合わせていきます。

ここでも、前回ご紹介した“へり裁ち棒”が大活躍です。

こういった“革漉き”の技術で仕上がりが大きく変わるような革小物づくりには、欠かせない道具ですね。
ということで、完成〜!

小銭入れの裏(ハンシャ・オスの背中側)と、“中”から右側へのスペース・・・、

またカード入れの裏(中の左側)にもポケットがあるので、カード類なら10枚位は入ると思います。

“菊寄せ”も・・・、まずまずですが、まだまだ精進精進・・・。

ショルダーバッグ(クラッチとの2way仕様)から出てきた、財布類やブックカバーが全部同じ柄・・・・。
ちょっと話のタネになりそう・・・。
最初に書きましたが、革一枚の材料費は¥6,000弱ですので、こういった作り方も経済的で面白いと思いますが、いかがでしょうか?

2017年12月12日
一枚の革で色々作ってみるA(へり返しのバリエーション)〜ブックカバー&札入れ編
前作、ショルダーバッグに続いて今度はブックカバーと札入れを作ってみます。
前回のショルダーはヘリ返しの裏側が他の素材で覆われて見えなくなるのに対し、今作は裏側も見えてしまう作りの為、より丁寧に仕上げる必要がある、というのが大きな違いでしょうか・・・。
“丁寧に”というのは、革の“漉き”作業から始まってます。

一度機械で全体を漉いていますが、特に角の部分は包丁を使い、更に薄く漉いていきます。

カーブ角の部分は直線部分とは異なり、後で“菊寄せ”といって革を寄せていきますので、厚みが残っていると作業効率も悪く、また見た目も綺麗に仕上がりません。
ということで写真で若干色が薄くなっているところは厚み0.2o位でしょうか・・・。

こちらは、ブックカバーの“見返し”部分です。

本体部分にも裏地を貼り、その上に見返しを貼り付けます。
因みに今回本体部分のヘリ返しシロは、8mm程採っております。
最終的には5.0mや5.5mmにするのですが、裁断時のズレや、貼り合わせるときにでる歪みを考慮し・・、

写真のように、@とAでは同じ幅で採ったつもりでも、このように差が生じてきます。

その差を最終的に調整するのが、こちらの“へり裁ち棒”・・・。

こんな感じで内貼り・見返しとの段差にピタッと合わせて・・、

綺麗に切り揃えます。

これで幅が均一になりました。
今回は5.0mmで切り揃えましたが、4.7o・5.5o・6.0o等々・・、0.3〜0.5mm単位で売っていますので、とても便利な道具です。(全部揃えるとなるとちょっとお高いですが・・・。)

直線部分のヘリ返しについては、前作と同じ手順で進めていきます。

こちらが四隅の“菊寄せ”です。

写真のように、ヘリ返された革の角が直角になるように、また外側は綺麗なアールになるように“刻み捻”という道具で仕上げていきます。

今回裏地で使ったグレーの裏地部分は、“ミンクスェード”といわれる新素材・・。
お手頃な値段の割には名前の通りの手触り感で、最近のお気に入りです。

でもって、ここからは“札入れ”です。

ブックカバーよりも複雑ですが、“革漉き”や“ヘリ返し”、といった作業は同様の行程で進めていきますので、ここでは省きます。

こちらは、一部“スライサー”(0.4mm)を貼り、裏地にはライトベージュの“シャンタン”を使ってみました。


次回、最後は小銭入れやカード段が付いた“2つ折り札入れ”を作ってみたいと思います。
前回のショルダーはヘリ返しの裏側が他の素材で覆われて見えなくなるのに対し、今作は裏側も見えてしまう作りの為、より丁寧に仕上げる必要がある、というのが大きな違いでしょうか・・・。
“丁寧に”というのは、革の“漉き”作業から始まってます。

一度機械で全体を漉いていますが、特に角の部分は包丁を使い、更に薄く漉いていきます。

カーブ角の部分は直線部分とは異なり、後で“菊寄せ”といって革を寄せていきますので、厚みが残っていると作業効率も悪く、また見た目も綺麗に仕上がりません。
ということで写真で若干色が薄くなっているところは厚み0.2o位でしょうか・・・。

こちらは、ブックカバーの“見返し”部分です。

本体部分にも裏地を貼り、その上に見返しを貼り付けます。
因みに今回本体部分のヘリ返しシロは、8mm程採っております。
最終的には5.0mや5.5mmにするのですが、裁断時のズレや、貼り合わせるときにでる歪みを考慮し・・、

写真のように、@とAでは同じ幅で採ったつもりでも、このように差が生じてきます。

その差を最終的に調整するのが、こちらの“へり裁ち棒”・・・。

こんな感じで内貼り・見返しとの段差にピタッと合わせて・・、

綺麗に切り揃えます。

これで幅が均一になりました。
今回は5.0mmで切り揃えましたが、4.7o・5.5o・6.0o等々・・、0.3〜0.5mm単位で売っていますので、とても便利な道具です。(全部揃えるとなるとちょっとお高いですが・・・。)

直線部分のヘリ返しについては、前作と同じ手順で進めていきます。

こちらが四隅の“菊寄せ”です。

写真のように、ヘリ返された革の角が直角になるように、また外側は綺麗なアールになるように“刻み捻”という道具で仕上げていきます。

今回裏地で使ったグレーの裏地部分は、“ミンクスェード”といわれる新素材・・。
お手頃な値段の割には名前の通りの手触り感で、最近のお気に入りです。

でもって、ここからは“札入れ”です。

ブックカバーよりも複雑ですが、“革漉き”や“ヘリ返し”、といった作業は同様の行程で進めていきますので、ここでは省きます。

こちらは、一部“スライサー”(0.4mm)を貼り、裏地にはライトベージュの“シャンタン”を使ってみました。


次回、最後は小銭入れやカード段が付いた“2つ折り札入れ”を作ってみたいと思います。
2017年12月08日
一枚の革で色々作ってみる@(ヘリ返しのバリエーション)〜ショルダーバッグ編
先日セールで購入してきた、柄物の革・・・。

大きさは200ds位で¥6,000弱でしたから、単価@¥30/ds位でしょうか・・・。
厚みは約1.0o程で比較的柔らかめの革ですね。
今回はこの革で、ショルダーバッグ、札入れ、2つ折り札入れ等、色々と作っていきたいと思います。
と同時に、このような比較的廉価な革の場合、コバ(切り口)の処理として“ヘリ返し”が主になるのですが、そのバリエーションも説明していきます。
まずはしっかり仕分けができる、4つの入れ口があるショルダーバッグからスタートです。
最初は外付けのポケット部分から・・・。

入れ口はファスナーが付きますが柔らかい革なので入れ口がへたらないようスライサーを心材として入れております。(水色部分がスライサー0.6oです。)
前述の通り、切り口の処理は全て“ヘリ返し”で統一することにします。
こちらは、バッグ本体の入れ口のヘリ返しです。

こちらにも同じく芯材の“テキソンテープ”(0.6o)を入れております。
上記同様入れ口がへたらないように、という意味合いもありますが、“ヘリ返し”をしやすくする、という目的も兼ねております。
よく生徒さんで、
“真っすぐのヘリ返しが上手くできない”
“直線のつもりが、うねうねと波打ってしまい、綺麗に仕上がらない”
という声がありますが、下記のようにすると初めての方でも比較的綺麗に仕上がると思います。
まずテキソンテープを貼り付け、糊を付ける前に、

ヘリ返し部分が直角になるように“癖付け”をしておきます。
下にコルクや板等、真っすぐで段差があるところで行うとよいでしょう。

この様にある程度癖が付いたら糊を添付し・・・、

こんな感じで“親指”の腹で折り込んでいきます。

親指を前後に回転させるような感じで、手前から奥へと少しずつ・・・、

革の“浮き”を少しずつ小さくしていく、といった要領で・・・。

最後に前後に均して・・・、

こんな感じですね・・。

因みにこのようなアール部分も裏に心材やテープを貼り、こちらは指ではなく“目打ち”等を使って行います。
特にバッグ裏地となる布類はよりへたり易いので有効です。

こちらは厚み0.6oの“チケン紙”を0.3o厚に漉いて、心材として使っています。
ヘリ返しの下処理が終わったら、後は組み立てです。

バッグ外側の外付けポケットはマグネットでの開閉仕様で・・。(内側は最初の写真でファスナーでの開閉仕様になってます。)


ポケット部分の内縫いを施します。


多少のマチを採る為、底面は20o程縫っております。
少し分かりにくい構造のカバンですので、縫い上げる前に説明しておくと、こんな感じです。

これで、“入れ口4つ”というのが分かりますでしょうか・・。
バッグ本体部分は“2つ折り”にして、クラッチバッグ感覚で持てるような作りです。
ただ今回はDカンを付けてショルダーバッグとしても使えるよう、2way仕様にしております。

ファスナーをミシンで縫い、

本体裏地の側面だけ縫い止めます。
※写真左側の底面(点線部)は最後にここから全体をひっくり返すためここではまだ縫いません。

バッグ本体とポケット部の一部を最後にグルリを内縫いで縫い上げます。※写真のクリップが付いているコの字型の部分。

こちらが95%完成の状態・・・。
今回はすべてが内縫いの仕様になっている為、先ほどの本体内袋の底面から、最後にグルンッとひっくり返して完成となります。
※本体内袋の底面のみ、ひっくり返した後“外縫い”を施し100%仕上がりとなります。

バッグ本体部分はクラッチバッグのように2つ折りになりますので、全体としてはコンパクトですが、財布等小物等であれば、収納がしやすい構造のバッグに仕上がりました。



次回は“札入れ”を仕上げていきます。

大きさは200ds位で¥6,000弱でしたから、単価@¥30/ds位でしょうか・・・。
厚みは約1.0o程で比較的柔らかめの革ですね。
今回はこの革で、ショルダーバッグ、札入れ、2つ折り札入れ等、色々と作っていきたいと思います。
と同時に、このような比較的廉価な革の場合、コバ(切り口)の処理として“ヘリ返し”が主になるのですが、そのバリエーションも説明していきます。
まずはしっかり仕分けができる、4つの入れ口があるショルダーバッグからスタートです。
最初は外付けのポケット部分から・・・。

入れ口はファスナーが付きますが柔らかい革なので入れ口がへたらないようスライサーを心材として入れております。(水色部分がスライサー0.6oです。)
前述の通り、切り口の処理は全て“ヘリ返し”で統一することにします。
こちらは、バッグ本体の入れ口のヘリ返しです。

こちらにも同じく芯材の“テキソンテープ”(0.6o)を入れております。
上記同様入れ口がへたらないように、という意味合いもありますが、“ヘリ返し”をしやすくする、という目的も兼ねております。
よく生徒さんで、
“真っすぐのヘリ返しが上手くできない”
“直線のつもりが、うねうねと波打ってしまい、綺麗に仕上がらない”
という声がありますが、下記のようにすると初めての方でも比較的綺麗に仕上がると思います。
まずテキソンテープを貼り付け、糊を付ける前に、

ヘリ返し部分が直角になるように“癖付け”をしておきます。
下にコルクや板等、真っすぐで段差があるところで行うとよいでしょう。

この様にある程度癖が付いたら糊を添付し・・・、

こんな感じで“親指”の腹で折り込んでいきます。

親指を前後に回転させるような感じで、手前から奥へと少しずつ・・・、

革の“浮き”を少しずつ小さくしていく、といった要領で・・・。

最後に前後に均して・・・、

こんな感じですね・・。

因みにこのようなアール部分も裏に心材やテープを貼り、こちらは指ではなく“目打ち”等を使って行います。
特にバッグ裏地となる布類はよりへたり易いので有効です。

こちらは厚み0.6oの“チケン紙”を0.3o厚に漉いて、心材として使っています。
ヘリ返しの下処理が終わったら、後は組み立てです。

バッグ外側の外付けポケットはマグネットでの開閉仕様で・・。(内側は最初の写真でファスナーでの開閉仕様になってます。)


ポケット部分の内縫いを施します。


多少のマチを採る為、底面は20o程縫っております。
少し分かりにくい構造のカバンですので、縫い上げる前に説明しておくと、こんな感じです。

これで、“入れ口4つ”というのが分かりますでしょうか・・。
バッグ本体部分は“2つ折り”にして、クラッチバッグ感覚で持てるような作りです。
ただ今回はDカンを付けてショルダーバッグとしても使えるよう、2way仕様にしております。

ファスナーをミシンで縫い、

本体裏地の側面だけ縫い止めます。
※写真左側の底面(点線部)は最後にここから全体をひっくり返すためここではまだ縫いません。

バッグ本体とポケット部の一部を最後にグルリを内縫いで縫い上げます。※写真のクリップが付いているコの字型の部分。

こちらが95%完成の状態・・・。
今回はすべてが内縫いの仕様になっている為、先ほどの本体内袋の底面から、最後にグルンッとひっくり返して完成となります。
※本体内袋の底面のみ、ひっくり返した後“外縫い”を施し100%仕上がりとなります。

バッグ本体部分はクラッチバッグのように2つ折りになりますので、全体としてはコンパクトですが、財布等小物等であれば、収納がしやすい構造のバッグに仕上がりました。



次回は“札入れ”を仕上げていきます。
2017年11月23日
リュックサック作りA〜完成したものの・・使うかどうかは検討中の巻
調子に乗ってミツバチとお花を入れてしまい少し後悔した前回・・・。
⇒http://sakaiworks-bag.sblo.jp/archives/20171107-1.html
なんとか気を取り直してリュックサックの完成を目指します。

こちらは、ショルダーベルトの長さを調節する為の尾錠部分・・。金具はシンプルにシルバーで・・。
次に、今回は内縫いなのですが“玉縁ち仕様”にする為のパーツ取りです。

バッグ作りでいつも困るのが、このような細長いパーツをどう取るか・・、です。
上の写真を見ていただくとお分かりだと思いますが、25o幅で長さ100o近く取っています。
すると銀ペンで描かれたテープ状の左側部分の革が、全て無駄になってしまうんです。
ここでは“玉縁ち”用のパーツ取りなので、いわゆる革の“伸び方向”は無視しておりますが、これが“持ち手”や“ショルダーベルト”のパーツ取りになると、革の伸びも考慮に入れなくてはならず、結構な無駄革が発生してしまいます。
なので、最初に載せた“尾錠”周りの細かなパーツ等は、こうして出てきた無駄革部分を上手に使って作っていくわけですね。

ということで、玉縁ちパーツが完成・・・。中には2oのポリ芯が入っております。
こちらは“ショルダーベルト”の革部分・・・。

今回は全て革にはせず、半分をナイロンテープ仕様にしていますので、革パーツは600o位ですかね・・・。
上述のとおり、あまり長くとると材料費が上がるので・・・、経費削減です。
こちらは“背胴”部分です。

今回、初めてメッシュ素材を使ってみました。(背胴の上半分がメッシュ)
市販のリュックなどでもよく使われている素材ですね。
革以外の素材ということで、やや“高級感”は薄れますし、また“耐久性”も多少落ちる、という見方もありますが、軽量化という意味では素材としてはアリだと思います。
生徒さんでも“使ってみたい”という方も出てくると思い、実際工房のミシンでキレイに縫い上げることが出来るのか?ということを確認する意味でも今回取り入れてみました。
ということで、前胴+底マチ+背胴を縫い合わせた状態。

今回は、いわゆる“通し胴”という構造で、マチとはこの後一気に縫い上げるパターンです。

この様に、胴+玉縁ち+マチを全て糊で仮留めし、尚且つクリップで剥がれないようして一気にグルリを縫い上げて・・・、

完成〜!

メッシュの部分も差ほど違和感なく縫えたので、今後素材としては“アリ”ですね・・。

ミツバチと・・・、

お花・・・。

後は、この柄ですね・・・。
電車の中で隣の人に気づかれたら恥ずかしいだろうな・・・と思い、使うかどうか悩んでいる今日この頃・・。
⇒http://sakaiworks-bag.sblo.jp/archives/20171107-1.html
なんとか気を取り直してリュックサックの完成を目指します。

こちらは、ショルダーベルトの長さを調節する為の尾錠部分・・。金具はシンプルにシルバーで・・。
次に、今回は内縫いなのですが“玉縁ち仕様”にする為のパーツ取りです。

バッグ作りでいつも困るのが、このような細長いパーツをどう取るか・・、です。
上の写真を見ていただくとお分かりだと思いますが、25o幅で長さ100o近く取っています。
すると銀ペンで描かれたテープ状の左側部分の革が、全て無駄になってしまうんです。
ここでは“玉縁ち”用のパーツ取りなので、いわゆる革の“伸び方向”は無視しておりますが、これが“持ち手”や“ショルダーベルト”のパーツ取りになると、革の伸びも考慮に入れなくてはならず、結構な無駄革が発生してしまいます。
なので、最初に載せた“尾錠”周りの細かなパーツ等は、こうして出てきた無駄革部分を上手に使って作っていくわけですね。

ということで、玉縁ちパーツが完成・・・。中には2oのポリ芯が入っております。
こちらは“ショルダーベルト”の革部分・・・。

今回は全て革にはせず、半分をナイロンテープ仕様にしていますので、革パーツは600o位ですかね・・・。
上述のとおり、あまり長くとると材料費が上がるので・・・、経費削減です。
こちらは“背胴”部分です。

今回、初めてメッシュ素材を使ってみました。(背胴の上半分がメッシュ)
市販のリュックなどでもよく使われている素材ですね。
革以外の素材ということで、やや“高級感”は薄れますし、また“耐久性”も多少落ちる、という見方もありますが、軽量化という意味では素材としてはアリだと思います。
生徒さんでも“使ってみたい”という方も出てくると思い、実際工房のミシンでキレイに縫い上げることが出来るのか?ということを確認する意味でも今回取り入れてみました。
ということで、前胴+底マチ+背胴を縫い合わせた状態。

今回は、いわゆる“通し胴”という構造で、マチとはこの後一気に縫い上げるパターンです。

この様に、胴+玉縁ち+マチを全て糊で仮留めし、尚且つクリップで剥がれないようして一気にグルリを縫い上げて・・・、

完成〜!

メッシュの部分も差ほど違和感なく縫えたので、今後素材としては“アリ”ですね・・。

ミツバチと・・・、

お花・・・。

後は、この柄ですね・・・。
電車の中で隣の人に気づかれたら恥ずかしいだろうな・・・と思い、使うかどうか悩んでいる今日この頃・・。
2017年11月07日
リュックサック作り@〜生徒さんに影響されて、色々盛り込んでみた・・の巻
前回ブログにご登場の、Kさんのリュックが仕上がってくるにつれ、
“そういえば、まだリュックサックのサンプルって作ってなかったな〜。”
と・・・、で早速作ってみることに・・・。
Kさんのリュック同様、“どっさり入る”のがいいかな〜と・・・。

これは外付けのファスナーポケット部分・・。
少し前、とある生徒さんに“革の編み込みをいつかやってみたい・・”と言われたことを思い出し、挑戦中・・。

単純な交互の編み込みでは面白みが無いので、ちょっと変則パターンで・・・、

ちょっとしたグラデーションを作ってみました。
最初は前胴、つまり本体部分でもやろうと思っていたのですが、思いのほか目がチカチカして“うるさい”感じになりそうなので、今回はポケット部分のみで・・・。

で、本体前胴に縫い付け・・。

因みに取っ手部分は“五つ編み”仕様で・・・。
ここは、“三つ編み”だとチト寂しい感じだったので、ほんの少し主張してみました。
次は、本体“ファスナーマチ”。

内縫い仕様なので、縫い代を“粗し”てます。
これをしっかりやっておかないと、後々ミシン掛けの際パーツが剥がれてしまうので、地味ですがとても重要な作業です。

これは、マチの一部・・・。
靴教室で、今ウエスタンブーツを作っている生徒さんがいるのですが、そのステッチをみていてつい自分も“やってみたく”なってしまい・・・、

イェ〜ィ・・・、楽し〜!
この、“付かず・離れず”の緊張感が何とも言えません・・・。
今回は“オールブラック”の革使いなので(オッサン【自分】が使うものなので、それでいいんですが・・。)、
途中、少し寂しくなってきたので・・・、

こんなん入れてみましたっ!

そしたら、反対側に“お花”を入れてみたくなり・・・・。
少し後悔・・・。
“そういえば、まだリュックサックのサンプルって作ってなかったな〜。”
と・・・、で早速作ってみることに・・・。
Kさんのリュック同様、“どっさり入る”のがいいかな〜と・・・。

これは外付けのファスナーポケット部分・・。
少し前、とある生徒さんに“革の編み込みをいつかやってみたい・・”と言われたことを思い出し、挑戦中・・。

単純な交互の編み込みでは面白みが無いので、ちょっと変則パターンで・・・、

ちょっとしたグラデーションを作ってみました。
最初は前胴、つまり本体部分でもやろうと思っていたのですが、思いのほか目がチカチカして“うるさい”感じになりそうなので、今回はポケット部分のみで・・・。

で、本体前胴に縫い付け・・。

因みに取っ手部分は“五つ編み”仕様で・・・。
ここは、“三つ編み”だとチト寂しい感じだったので、ほんの少し主張してみました。
次は、本体“ファスナーマチ”。

内縫い仕様なので、縫い代を“粗し”てます。
これをしっかりやっておかないと、後々ミシン掛けの際パーツが剥がれてしまうので、地味ですがとても重要な作業です。

これは、マチの一部・・・。
靴教室で、今ウエスタンブーツを作っている生徒さんがいるのですが、そのステッチをみていてつい自分も“やってみたく”なってしまい・・・、

イェ〜ィ・・・、楽し〜!
この、“付かず・離れず”の緊張感が何とも言えません・・・。
今回は“オールブラック”の革使いなので(オッサン【自分】が使うものなので、それでいいんですが・・。)、
途中、少し寂しくなってきたので・・・、

こんなん入れてみましたっ!

そしたら、反対側に“お花”を入れてみたくなり・・・・。
少し後悔・・・。
2017年09月10日
簡単小銭入れのサンプルを作ってみた。
大きなカバン作りや靴作りの場合、どうしても数か月はかかってしまいます。
そんな中、生徒さんより
“家族や友人にプレゼントとしてあげるもので、1日〜2日間位でサクッと作れるものが欲しいっ!”
といった声が時々ありますので、“小銭入れ”のサンプルを一つ作ってみました。

革のパーツはこの3つ・・・。

1o前後の革、今回はタンニン革“アリゾナ”のターコイスを使用してます。

こちらは床面・・。
一番右のマチ部分のみ、0.4oの全漉きにしてますが、後は全体を斜め漉きで・・・。

マチには薄手のボンテックスを入れてます。

こちらは隠しホック(ハンシャ)のメスの方を打っておきます。

裏地(布)と心材(ボンテックス0.4o)を貼った胴裏にマチを貼り合わせ・・・、

最後に表胴の革を貼って、ヘリ返し、ミシンで縫って・・、

完成〜!

裁断から完成まで、昨日一日(3〜4時間)で終わったので、これなら1〜2日で仕上がりそうです。
そんな中、生徒さんより
“家族や友人にプレゼントとしてあげるもので、1日〜2日間位でサクッと作れるものが欲しいっ!”
といった声が時々ありますので、“小銭入れ”のサンプルを一つ作ってみました。

革のパーツはこの3つ・・・。

1o前後の革、今回はタンニン革“アリゾナ”のターコイスを使用してます。

こちらは床面・・。
一番右のマチ部分のみ、0.4oの全漉きにしてますが、後は全体を斜め漉きで・・・。

マチには薄手のボンテックスを入れてます。

こちらは隠しホック(ハンシャ)のメスの方を打っておきます。

裏地(布)と心材(ボンテックス0.4o)を貼った胴裏にマチを貼り合わせ・・・、

最後に表胴の革を貼って、ヘリ返し、ミシンで縫って・・、

完成〜!

裁断から完成まで、昨日一日(3〜4時間)で終わったので、これなら1〜2日で仕上がりそうです。
2017年02月24日
ざっくりトートをあっという間に
2015年09月27日
ダレスバッグの金具作り
祭りのお囃子が、あちこちから聞こえ始めてきた今日この頃・・。めっきり過ごし易くなりました。
と、いきなり工房前に100人近い人がぞろぞろと集まり始め・・、
“お〜し、ここから始めるぞ〜〜っ!!”
“おぉ〜っ!!”

勝手にお神輿のスタート地点に指定されてしまいました・・。
生徒さんからは、“縁起が良くてよかったですね〜”と・・・。
そんなこんなで、またまた試作バッグ作りです。
今回は、“鞄の王様”ともいわれるダレスバッグ・・・。
そのダレスバッグを作る際に必要になってくるのが、いわゆる“口金”といわれる部分。
浅草橋あたりのバッグ専用金具店にいけば置いてあることはあるのですが、どうしても規格がある程度決まっていて、自分の好きなサイズのものは入手しづらいのが現状です。
特にダレスは“男の鞄”、という印象が強いのか大きめのものが主流のような気がします。
うちの教室では、女性の生徒さんの方がやや多めで、“私も作ってみたい”という人もちらほらといらっしゃるようなので、もう少し小さめで、自分の好きなサイズが作れるよう機具を揃え、まずは試作品作りです。

口金には“外枠”と“内枠”があり、一般的に外枠は丈夫さを求めスチールを、内枠には軽量化のためアルミを使ってます。
金属用糸鋸で、まずは切断です。

アルミは簡単に切断できますが、やはりスチールはなかなか手強いッ!・・。
今回はアルミ・スチールともに3mm厚を使いましたが、スチールは30分以上掛かりました。
糸鋸の歯も一本使い切る感じですね・・・。
続いては穴あけです。
これもやはりスチールがかなり手強い・・。

鉄鋼用のハイスドリルでもひと穴が限界です。
これは、もう“使い捨て”しかないかな・・・。
と思っていましたが、靴クラスの生徒さんで以前“金具や”だったというYさんに何気なく聞いてみたところ、
“ドリル砥ぎますよ”
と・・・。
うちのグラインダーを使って、ものの30秒ほどで完成・・・。
完全に刃が落ちていたドリルが、見事復活です。
さすがプロ・・。餅は餅屋ですな・・。
研ぎ方を教えてもらいましたが、これがなかなかムズカシイ・・・。

スチールに穴を開けては、研ぎを繰り返すこと数十回、やっと30点を付けてもらいました・・・・。

使用前と使用後・・・。こんなに短くなっちゃいました・・。
やっぱ、ボール盤は揃えたほうが良さそうですね・・・。早速明日にでもホームセンターで調達してこよっと
・・・。
あと、女性用で差ほど大きくないものであれば、両方アルミという方法もありですね・・。特に女性であればスチールの切断・穴あけは少し難儀かもしれません。まあこのあたりはボール盤で試してからの判断かな・・。
でもって、次は曲げの作業です。

ご覧のような、ハンドベンダーという機具で曲げていきます。
ただ単に適当に曲げるわけではなく、外枠・内枠のアールを微妙に変えて曲げる必要があるためこのような機具を使います。

外枠・内枠ともに3mm厚ですので、外枠の外径は18mm、内径は15mm、革の厚みと多少の隙間を4mm見積もって、内枠の外径は11mm、内径は8mm、とミリ単位で型紙どおりの正確なアールを再現しないと、バッグの開閉時に何らかの支障が出てきてしまうためです。

ほぼ型紙どおりのアールが再現できました。
次回はいよいよ型紙作りですが、少し先になりそうかな・・。革も決めてないし・・・。
と、いきなり工房前に100人近い人がぞろぞろと集まり始め・・、
“お〜し、ここから始めるぞ〜〜っ!!”
“おぉ〜っ!!”

勝手にお神輿のスタート地点に指定されてしまいました・・。
生徒さんからは、“縁起が良くてよかったですね〜”と・・・。
そんなこんなで、またまた試作バッグ作りです。
今回は、“鞄の王様”ともいわれるダレスバッグ・・・。
そのダレスバッグを作る際に必要になってくるのが、いわゆる“口金”といわれる部分。
浅草橋あたりのバッグ専用金具店にいけば置いてあることはあるのですが、どうしても規格がある程度決まっていて、自分の好きなサイズのものは入手しづらいのが現状です。
特にダレスは“男の鞄”、という印象が強いのか大きめのものが主流のような気がします。
うちの教室では、女性の生徒さんの方がやや多めで、“私も作ってみたい”という人もちらほらといらっしゃるようなので、もう少し小さめで、自分の好きなサイズが作れるよう機具を揃え、まずは試作品作りです。

口金には“外枠”と“内枠”があり、一般的に外枠は丈夫さを求めスチールを、内枠には軽量化のためアルミを使ってます。
金属用糸鋸で、まずは切断です。

アルミは簡単に切断できますが、やはりスチールはなかなか手強いッ!・・。
今回はアルミ・スチールともに3mm厚を使いましたが、スチールは30分以上掛かりました。
糸鋸の歯も一本使い切る感じですね・・・。
続いては穴あけです。
これもやはりスチールがかなり手強い・・。

鉄鋼用のハイスドリルでもひと穴が限界です。
これは、もう“使い捨て”しかないかな・・・。
と思っていましたが、靴クラスの生徒さんで以前“金具や”だったというYさんに何気なく聞いてみたところ、
“ドリル砥ぎますよ”
と・・・。
うちのグラインダーを使って、ものの30秒ほどで完成・・・。
完全に刃が落ちていたドリルが、見事復活です。
さすがプロ・・。餅は餅屋ですな・・。
研ぎ方を教えてもらいましたが、これがなかなかムズカシイ・・・。

スチールに穴を開けては、研ぎを繰り返すこと数十回、やっと30点を付けてもらいました・・・・。

使用前と使用後・・・。こんなに短くなっちゃいました・・。
やっぱ、ボール盤は揃えたほうが良さそうですね・・・。早速明日にでもホームセンターで調達してこよっと
・・・。
あと、女性用で差ほど大きくないものであれば、両方アルミという方法もありですね・・。特に女性であればスチールの切断・穴あけは少し難儀かもしれません。まあこのあたりはボール盤で試してからの判断かな・・。
でもって、次は曲げの作業です。

ご覧のような、ハンドベンダーという機具で曲げていきます。
ただ単に適当に曲げるわけではなく、外枠・内枠のアールを微妙に変えて曲げる必要があるためこのような機具を使います。

外枠・内枠ともに3mm厚ですので、外枠の外径は18mm、内径は15mm、革の厚みと多少の隙間を4mm見積もって、内枠の外径は11mm、内径は8mm、とミリ単位で型紙どおりの正確なアールを再現しないと、バッグの開閉時に何らかの支障が出てきてしまうためです。

ほぼ型紙どおりのアールが再現できました。
次回はいよいよ型紙作りですが、少し先になりそうかな・・。革も決めてないし・・・。
2015年08月25日
ボストンバッグ作り(サンプル)〜その弐
さて、サンプルボストンバッグ作りの続きです・・。

前回も書きましたが、かなりお安い革で繊維がスカスカなので、“バイリーン”か“テキソン”を裏に貼り付け、いわゆる“張り”を出します。
ただ今回はサンプルなので一番単価の安い1mm厚の“床革”で・・・、ちょっと重くなるかな・・。
軽さを求めるなら、バイリーンの方が良さそうですね・・。

で、胴にポッケットを付け・・・、

持ち手の金具を付け、前後の胴を完成させます。

で、ファスナーを縫いつけ・・、

裏地を貼り付けていきます。
一応、底鋲も付けておきましょう・・。

底鋲には、“フジタカ”や“傘型”などがありますが、今回はシルバーの“半丸”で・・。

因みにこちらは底鋲を打ちつけるための台座・・・。
普通に硬い台の上で打ち付けると底面が変形してしまうので変形防止のための措置です。もちろん自作です。
面倒ですが、ある程度サイズが限られているので、2つ3つ作っておけば後々役に立ちます。

ここで初めて全体の構造が見えてきました・・・。
鞄の構造は、簡単にいうと“胴”と“マチ”で出来てます。
最もオーソドックスな、“前胴+背胴+通しマチ”や、
前胴と背胴をつなげた、いわゆる“通し胴+マチ”等色々ありますが、
今回は胴とマチを一体で取るという、ちょっと変則パターンです。
展開すると、ちょうど“四葉のクローバー”のような形です。
・・・分かりづらいかな・・。

まあ、なんだかんだで完成形がこちら・・。

大きさ対比で、靴と並べてみました。

ついでに教室で作業中のNさんにモデルになってもらって一枚・・。

2〜3泊のお出掛けにはこんな感じですかね・・。
それにしてもこの柄、目がチカチカする・・。
生徒さんから不評だった理由がなんとなく分かってきたかも・・・。

前回も書きましたが、かなりお安い革で繊維がスカスカなので、“バイリーン”か“テキソン”を裏に貼り付け、いわゆる“張り”を出します。
ただ今回はサンプルなので一番単価の安い1mm厚の“床革”で・・・、ちょっと重くなるかな・・。
軽さを求めるなら、バイリーンの方が良さそうですね・・。

で、胴にポッケットを付け・・・、

持ち手の金具を付け、前後の胴を完成させます。

で、ファスナーを縫いつけ・・、

裏地を貼り付けていきます。
一応、底鋲も付けておきましょう・・。

底鋲には、“フジタカ”や“傘型”などがありますが、今回はシルバーの“半丸”で・・。

因みにこちらは底鋲を打ちつけるための台座・・・。
普通に硬い台の上で打ち付けると底面が変形してしまうので変形防止のための措置です。もちろん自作です。
面倒ですが、ある程度サイズが限られているので、2つ3つ作っておけば後々役に立ちます。

ここで初めて全体の構造が見えてきました・・・。
鞄の構造は、簡単にいうと“胴”と“マチ”で出来てます。
最もオーソドックスな、“前胴+背胴+通しマチ”や、
前胴と背胴をつなげた、いわゆる“通し胴+マチ”等色々ありますが、
今回は胴とマチを一体で取るという、ちょっと変則パターンです。
展開すると、ちょうど“四葉のクローバー”のような形です。
・・・分かりづらいかな・・。

まあ、なんだかんだで完成形がこちら・・。

大きさ対比で、靴と並べてみました。

ついでに教室で作業中のNさんにモデルになってもらって一枚・・。

2〜3泊のお出掛けにはこんな感じですかね・・。
それにしてもこの柄、目がチカチカする・・。
生徒さんから不評だった理由がなんとなく分かってきたかも・・・。
2015年08月13日
ボストンバッグ作り(サンプル)〜その壱
先月末、浅草・“革の松吉”さんのセールへ買出しへ・・・。

5〜6枚入手した中の一枚・・・。
約200デシで¥3,800・・・、1デシ=¥19ナリ。激安です。
紫と黒のクラッシュ・・・、ちょっと変わった柄だから誰か使ってくれるかな・・・、と淡い期待を込めて買ってはみたものの、教室の生徒さん(特に女子・・)からはすこぶる不評・・・。
お気に召してはいただけませんでした。
“いいっすヨッ!!サンプルバッグでも作って使い切りますからっ!”
ということで、久々サンプルバッグ作りです。

こちらは型紙・・、そういえばブログではまだボストンを載せていなかったので今回はボストンバッグです。

まずは、こまごまとしたパーツ作りから・・・。
チープな革ですので、繊維が荒い荒い・・・。
延び止めテープが欠かせません・・。

金具はシルバーで統一して・・・、

こんな感じで・・。
悪くないと思うんだけどなぁ、この柄・・・。まぁいいや・・。

で、持ち手のガラ芯を入れて・・・、

今日はここまで・・・。まあ全体の半分位までは進んだでしょうか・・。
次回、“その弐”で完成を目指します。

5〜6枚入手した中の一枚・・・。
約200デシで¥3,800・・・、1デシ=¥19ナリ。激安です。
紫と黒のクラッシュ・・・、ちょっと変わった柄だから誰か使ってくれるかな・・・、と淡い期待を込めて買ってはみたものの、教室の生徒さん(特に女子・・)からはすこぶる不評・・・。
お気に召してはいただけませんでした。
“いいっすヨッ!!サンプルバッグでも作って使い切りますからっ!”
ということで、久々サンプルバッグ作りです。

こちらは型紙・・、そういえばブログではまだボストンを載せていなかったので今回はボストンバッグです。

まずは、こまごまとしたパーツ作りから・・・。
チープな革ですので、繊維が荒い荒い・・・。
延び止めテープが欠かせません・・。

金具はシルバーで統一して・・・、

こんな感じで・・。
悪くないと思うんだけどなぁ、この柄・・・。まぁいいや・・。

で、持ち手のガラ芯を入れて・・・、

今日はここまで・・・。まあ全体の半分位までは進んだでしょうか・・。
次回、“その弐”で完成を目指します。
2015年07月07日
袋縫いバッグの修理
工房の大屋さんから、カバンの修理のご依頼が入りました。

ご覧のような、まだまだキレイな二つ折りになるショルダーバッグなんですが・・、

ストラップの糸が解れてしまったようです。
ただ、“糊で留めて縫い合わせればいいんでしょ”
というわけにはいきません。
このままでは、ミシンステッチが裏(このカバンでいう表側)にもステッチが出てしまうので、このまま縫うわけにはいきません。
組み立てた順番を遡るように一旦分解し、ストラップを縫い付けて、また順番どおりに組み立てる必要があります。
この、いわゆる“袋縫い”といわれるタイプのバッグ・・。
こういうタイプのバッグは、全てのパーツを組み立てて最後に前胴・背胴を内縫いし、最後に
“グリン”っとひっくり返して完成となります。
しかし、どこかにひっくり返せる隙間というか、穴というかがないとひっくり返せないので、まずはその箇所を見つけるところから始めます。
一見したところ、表向きは全て袋縫い(内縫い)状態でそういった箇所が見つかりません・・。

で内側のポケット2箇所を引っ張り出してみたところ・・・、

見つかりました。
ここだけが、唯一外縫い状態になってます。
外縫い部分については、糸を切ってもあとでそのまま同じ状態に縫い戻すことが出来ますので、ここが分解の最初の箇所ということになります。
つまりこのバッグを組み立てる一番最後のステッチがこの箇所ということです。

因みに右側のファスナー内のポケットは外縫い状態ではありませんので、左側のポケットの底が唯一の場所でした。
で、糸を解いて穴を開け、そこから全体を“グリン”っと・・・。

こんな感じです。
ストラップが出ているところが、糸を解いた箇所・・・。

見つけました。中央下部が2番目の写真のストラップの付け根部分の裏側です。

ここまできたら、先ほどの穴からミシンのアームを通して縫いつけてあげれば、表にステッチは出てきません。

で、またひっくり返したあと、最後にポケットを元通り外縫いで仕上げれば完成、ということになります。
また、いっぱい使ってあげて下さい。

ご覧のような、まだまだキレイな二つ折りになるショルダーバッグなんですが・・、

ストラップの糸が解れてしまったようです。
ただ、“糊で留めて縫い合わせればいいんでしょ”
というわけにはいきません。
このままでは、ミシンステッチが裏(このカバンでいう表側)にもステッチが出てしまうので、このまま縫うわけにはいきません。
組み立てた順番を遡るように一旦分解し、ストラップを縫い付けて、また順番どおりに組み立てる必要があります。
この、いわゆる“袋縫い”といわれるタイプのバッグ・・。
こういうタイプのバッグは、全てのパーツを組み立てて最後に前胴・背胴を内縫いし、最後に
“グリン”っとひっくり返して完成となります。
しかし、どこかにひっくり返せる隙間というか、穴というかがないとひっくり返せないので、まずはその箇所を見つけるところから始めます。
一見したところ、表向きは全て袋縫い(内縫い)状態でそういった箇所が見つかりません・・。

で内側のポケット2箇所を引っ張り出してみたところ・・・、

見つかりました。
ここだけが、唯一外縫い状態になってます。
外縫い部分については、糸を切ってもあとでそのまま同じ状態に縫い戻すことが出来ますので、ここが分解の最初の箇所ということになります。
つまりこのバッグを組み立てる一番最後のステッチがこの箇所ということです。

因みに右側のファスナー内のポケットは外縫い状態ではありませんので、左側のポケットの底が唯一の場所でした。
で、糸を解いて穴を開け、そこから全体を“グリン”っと・・・。

こんな感じです。
ストラップが出ているところが、糸を解いた箇所・・・。

見つけました。中央下部が2番目の写真のストラップの付け根部分の裏側です。

ここまできたら、先ほどの穴からミシンのアームを通して縫いつけてあげれば、表にステッチは出てきません。

で、またひっくり返したあと、最後にポケットを元通り外縫いで仕上げれば完成、ということになります。
また、いっぱい使ってあげて下さい。