かれこれ2ヶ月近くのご無沙汰でしょうか・・・。
コツコツ地道に進めてはいたんですけどね・・、
年末年始のバタバタや、確定申告やら、色々とね・・・。
まあ言い訳はこの辺にして・・・、
さて今回からは特殊な鞄シリーズということで、“楽器ケース編”をご紹介です。
知人のお母様からのご依頼で、全部で4品ほど・・。
ただ、実は3年ほど前から寝かしてしまってます。
3年前の依頼直後には、まずは、

こちらの“オカリナ”ケースを完成させ・・・、
さらに勢いに任せて、

こちらの“マルタ”ケースを仕上げました。
(マルタとは、どうやら南米地方の民族楽器の一種のようです。)
まあ、ケースと入っても“袋”的なもので構造も簡単なので、既に仕上げ&お渡し済み。
ただ、その後がいけません・・・。
忙しさにかまけて、残り2品はずっとほったらかし状態・・・。
“暇な時に、いつでもいいですよ”
この言葉に、ついつい甘えてしまいました・・。
お母様、スミマセンでした。
ということで、まずはこちらの尺八ケースを・・。

因みに現物は無く、この情報だけ・・。
へ〜、尺八って1尺八寸だから尺八っていうんだ〜
尺八本体も含め全く無知な為、ネットで色々調べてみたが、布の袋的なものはあるが、ケース状の入れ物は見当たらず・・・。
大丈夫かな・・。
まあ、やってみましょう。
3年前よりは、経験値も上がってるでしょうし・・。
まずは、前回の袋状のものではなく、ケース状のものにするので
@外側は丈夫にすること
を考慮し、革のみではなく心材を入れることに・・。

そこで今回は0.8mm厚のボンテックスを使用。

イメージ図によると“楕円形”なので、キレイなアールが出るよう、目打ちでいわゆる“すじ引き”をして・・、

革を貼り付けます。
尺八は、ご存知日本が誇る和楽器・・。
なので、革はちょっと“和テイスト”っぽい感じのヌバックをチョイス。
また、
A中の楽器を保護すること
を考慮し、内側には3mm厚のクッションを入れることに・・。
どうも、1尺八寸の長さではなく、二つに分割できるようなので、30cm程の高さでよさそうなんですが、中に仕切りを入れて収納したいとのこと。
ムムッ・・・、この辺ちょっと大変かも・・。

まあ、こんな感じで・・・。
因みに内張りも“和柄”にしてみました。
底にももちろん心材&クッションが入るので、ミシン縫いがちと面倒・・。
心材も一緒に縫い上げたいところだが、構造上、どうしてもミシンが入らず・・・。
また心材を楕円形に縁を曲げるのが難しい為、色々考えた末・・、

こんな感じで鉢巻上の内縫いで何とかまとめてみる。
上げ底的な感じも、楽器の保護には良いのではないかと・・・。
でもって、肩紐を同じ革で作り・・・、

市切りで、ピーッと・・・、
この作業、毎回思うが超快感!

で外側のケースと内側のケースをスポッとはめ込んでミシン縫い、っと。
この外径と内径の差を出す計算が面倒で、縫い合わせるまでドキドキでしたが、ピッタリでこちらもウルトラ超快感!!!
今度はフタですね。

まずは内縫い&玉ぶちで革を縫い上げ、その内径を出してフタの縁の心材を作成。
このフタの縁の心材の径と、本体外側の心材の径がピタッと合わないといけないので、計算、計算、計算・・・。

こちらもパコッとはめ込んで、内縫い部分に内張りの布を巻き込み・・・、

フタ本体の天井部に心材&クッションを縫い込んだものを・・、

こちらもパコッっと。
ふ〜〜っ・・。
本体の上部と底部、更にはフタと、楕円形の外径・内径差のトラップが満載のケース・・。
2πr(パイアール)の計算だらけの型紙です。
理系頭で良かった〜。

さて次回は、“サンポーニャ”ケース編へと続く・・・。