“爆買いバブル”なる言葉が流行って久しい今日この頃・・・、遅ればせながら当工房にもちょっとした影響が・・。

こちら、夏休みを利用し台湾からご家族で日本に旅行中というSさん。
一週間の滞在ホテルが池袋ということで、その間に鞄とベビーシューズを自分で作ってみたいと、一ヶ月ほど前にメールをいただきました。
当工房ではいわゆる“短期集中講座”的なものは設定しておりませんが、熱意のこもったメールを幾度かいただき、また日本語がとてもお上手だったこともあり今回特別にお引き受けすることに・・・。
一日6時間、火曜〜金曜の4日間連続・・・、大丈夫かな・・・?因みに旦那さんとお子さんは東京観光を愉しんでいるようですが・・・。
まあ余計な心配をしてもしょうがないので、早速鞄の型紙の作り方から始めましょ・・。

まずはご希望のサイズと形を決めていただき、その見た目寸に従って底マチの型紙を作成します。
更にその底マチに従って胴の底辺の長さ、また入れ口のサイズを決め、その際のルールをご説明・・。

他でよくある“短期講座”等ではすでに型紙が決まっていて、その型紙の通り革の裁断・穴あけ・手縫いだけを行う、というのがセオリーです。でなきゃ短期で終わりませんから・・・。
なのでいわゆる応用が利きません。ところが、Sさん、
“型紙づくりも覚えたい!!”というご要望でしたので、ここは半日近くを掛けて縫い代やアール部分のサイズの算出方法を型紙に書きながら説明しましたが・・・、理解できましたでしょうか?
まあ、一発で完全に理解できる人はそういないので、帰ってからゆっくり反復・復習してくださいな。

で、自分で作った型紙を基に、外側の胴・マチの組み立てまでは完成〜。

さすがに内装部までご自身で、となると時間が足りないので、こちらで作成・・・。
初日の6時間ではここまで・・。

2日目には持ち手の接続金具を決めていただき、持ち手の作成作業へ・・。

“手汗で革が汚れるので”ということで、手袋をしてチクチク・・チクチクと・・・。
しかしこの手袋が仇となったのか、2日目の作業は予想以上に時間がかかることに・・・。
本来カバンはこの2日目で完成予定でしたが・・・、
無理でした・・。
持ち手部分は芯を入れるパターンでやや難易度が高い作りをご希望でしたので、やむを得ず持ち手もこちらで作成・・。
取り敢えず長さだけご自身でお決めいただきこの日の教室は終了・・。

3日目、もうここからはとにかく手縫いのスピードを上げるのが最重要課題・・。
朝からひたすら、チクチク・・チクチク・・チクチクチク・・・。
思ったほど汚れないと分かったのでしょう、もう手袋外してます。

でもって完成〜!

型紙づくりも含め、3日掛かりましたが、ご自身考案のデザインで、かなり本格的な鞄が完成しました。
さあ、後一日でベビーシューズを作らねば・・。

もうだいぶお疲れモードですが・・・、ここは何とか気力を振り絞って〜。
靴の場合は木型を使っていきますので、かばんとはまた違った難しさに戸惑いながらも、
チクチク・・・、チクチク・・・、チクチクチクチク・・。
頑張れ〜
結局、片足はこちらで進めることになりましたが・・・、

何とか完成〜!
大変だったとは思いますが、ぜひとも台湾に帰ってからも続けてくださいな。