2015年09月27日

ダレスバッグの金具作り

祭りのお囃子が、あちこちから聞こえ始めてきた今日この頃・・。めっきり過ごし易くなりました。

と、いきなり工房前に100人近い人がぞろぞろと集まり始め・・、

“お〜し、ここから始めるぞ〜〜っ!!”

“おぉ〜っ!!”


秋祭りおみこし.jpg

勝手にお神輿のスタート地点に指定されてしまいました・・。

生徒さんからは、“縁起が良くてよかったですね〜”と・・・。



そんなこんなで、またまた試作バッグ作りです。

今回は、“鞄の王様”ともいわれるダレスバッグ・・・。

そのダレスバッグを作る際に必要になってくるのが、いわゆる“口金”といわれる部分。

浅草橋あたりのバッグ専用金具店にいけば置いてあることはあるのですが、どうしても規格がある程度決まっていて、自分の好きなサイズのものは入手しづらいのが現状です。

特にダレスは“男の鞄”、という印象が強いのか大きめのものが主流のような気がします。

うちの教室では、女性の生徒さんの方がやや多めで、“私も作ってみたい”という人もちらほらといらっしゃるようなので、もう少し小さめで、自分の好きなサイズが作れるよう機具を揃え、まずは試作品作りです。

ダレスバッグ金具@.jpg

口金には“外枠”と“内枠”があり、一般的に外枠は丈夫さを求めスチールを、内枠には軽量化のためアルミを使ってます。

金属用糸鋸で、まずは切断です。

ダレスバッグ金具A.jpg

アルミは簡単に切断できますが、やはりスチールはなかなか手強いッ!・・。

今回はアルミ・スチールともに3mm厚を使いましたが、スチールは30分以上掛かりました。
糸鋸の歯も一本使い切る感じですね・・・。

続いては穴あけです。

これもやはりスチールがかなり手強い・・。

ダレスバッグ金具B.jpg

鉄鋼用のハイスドリルでもひと穴が限界です。

これは、もう“使い捨て”しかないかな・・・。

と思っていましたが、靴クラスの生徒さんで以前“金具や”だったというYさんに何気なく聞いてみたところ、

“ドリル砥ぎますよ”
と・・・。

うちのグラインダーを使って、ものの30秒ほどで完成・・・。

完全に刃が落ちていたドリルが、見事復活です。

さすがプロ・・。餅は餅屋ですな・・。


研ぎ方を教えてもらいましたが、これがなかなかムズカシイ・・・。

ドリル刃研ぎ.jpg

スチールに穴を開けては、研ぎを繰り返すこと数十回、やっと30点を付けてもらいました・・・・。

ドリル刃研ぎ@.jpg

使用前と使用後・・・。こんなに短くなっちゃいました・・。

やっぱ、ボール盤は揃えたほうが良さそうですね・・・。早速明日にでもホームセンターで調達してこよっと
・・・。

あと、女性用で差ほど大きくないものであれば、両方アルミという方法もありですね・・。特に女性であればスチールの切断・穴あけは少し難儀かもしれません。まあこのあたりはボール盤で試してからの判断かな・・。

でもって、次は曲げの作業です。

ダレスバッグ金具C.jpg

ご覧のような、ハンドベンダーという機具で曲げていきます。

ただ単に適当に曲げるわけではなく、外枠・内枠のアールを微妙に変えて曲げる必要があるためこのような機具を使います。

ダレスバッグ金具D.jpg

外枠・内枠ともに3mm厚ですので、外枠の外径は18mm、内径は15mm、革の厚みと多少の隙間を4mm見積もって、内枠の外径は11mm、内径は8mm、とミリ単位で型紙どおりの正確なアールを再現しないと、バッグの開閉時に何らかの支障が出てきてしまうためです。

ダレスバッグ金具E.jpg

ほぼ型紙どおりのアールが再現できました。

次回はいよいよ型紙作りですが、少し先になりそうかな・・。革も決めてないし・・・。
posted by tomo at 15:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 鞄・小物作り

2015年09月14日

鞄と靴を、行ったり来たり・・・。

先月、機械を使った“革漉き”に初挑戦したMさん・・・。

大分機械にも慣れてきて、今度は“玉縁ち”の練習を兼ねた小銭入れを作成中です。

Mさん小銭要れ@.jpg

“玉縁ち”(もしくは“パイピング”ともいいます。)とは内縫いの鞄でよく用いられる手法で、例えば胴とマチの間に革や心材などを入れて縫い上げることをいいます。
よく、“強度を上げる為”といわれますが、差ほどそういう意味合いは無く、まあ見た目がかなり変わるといった感じです。

カチッとした雰囲気にしたい場合は、有効ですね。

最初は0.8mm程に全漉きした革を2mm幅の“ポリ芯”といわれる芯材に巻いて作成します。
ただ、ポリ芯を入れると長期にわたって使用した場合、革がこすれて芯がはみ出る場合がありますので嫌う人もいますが、まあ最初ですから・・・。

慣れてきたら革のみの玉縁ちに挑戦してみてください。

Mさん小銭要れA.jpg

鮮やかなオレンジがなんだか美味しそう・・・。

Mさん、これで基礎カリキュラムを全て終了し、いよいよ次回型紙づくりへ突入です。


オレンジといえば、日曜クラスのSさんも、かわいいバッグを作成中・・。

Sさん子供用バッグ@.jpg

Sさん、“靴ブログ”のほうで、先月お友達へのゴルフシューズを完成させたばかりですが、(その様子はこちら⇒http://sakaiworks.sblo.jp/article/156899285.html
一ヶ月も経たないうちに、今度はお友達のお子さんへプレゼントする鞄を作ってしまいました。

Sさん子供用バッグA.jpg

タンニン革をふんだんに使った、お子様にはちと贅沢なカバンですな・・。

これは、“男の子用”で、もうひとつ“女の子用”も作成中だそう・・。

職人並みのペースで量産してますが、Sさん、ちゃんと本業のお仕事してますか?



でもって、もう2個目の鞄の目処が立ったようなので、

“今度は自分用のマウンテンブーツでも作ろうかな。”と・・・。

Sさん木型修正@.jpg

トウの部分はちょっと丸みを持たせたいとのことで、床革で自分好みのかたちを模索中・・。

Sさん木型修正A.jpg

鞄と靴を行ったり来たり・・・。

そういえば、最初に登場したMさんも、靴から鞄への移行組み・・。

2年位前に、こんなん作ってました・・・。

109_2.jpg

133_4.jpg

あれ、これって“鞄ブログ”たったよな・・?
posted by tomo at 09:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 教室・工房