と、いきなり工房前に100人近い人がぞろぞろと集まり始め・・、
“お〜し、ここから始めるぞ〜〜っ!!”
“おぉ〜っ!!”

勝手にお神輿のスタート地点に指定されてしまいました・・。
生徒さんからは、“縁起が良くてよかったですね〜”と・・・。
そんなこんなで、またまた試作バッグ作りです。
今回は、“鞄の王様”ともいわれるダレスバッグ・・・。
そのダレスバッグを作る際に必要になってくるのが、いわゆる“口金”といわれる部分。
浅草橋あたりのバッグ専用金具店にいけば置いてあることはあるのですが、どうしても規格がある程度決まっていて、自分の好きなサイズのものは入手しづらいのが現状です。
特にダレスは“男の鞄”、という印象が強いのか大きめのものが主流のような気がします。
うちの教室では、女性の生徒さんの方がやや多めで、“私も作ってみたい”という人もちらほらといらっしゃるようなので、もう少し小さめで、自分の好きなサイズが作れるよう機具を揃え、まずは試作品作りです。

口金には“外枠”と“内枠”があり、一般的に外枠は丈夫さを求めスチールを、内枠には軽量化のためアルミを使ってます。
金属用糸鋸で、まずは切断です。

アルミは簡単に切断できますが、やはりスチールはなかなか手強いッ!・・。
今回はアルミ・スチールともに3mm厚を使いましたが、スチールは30分以上掛かりました。
糸鋸の歯も一本使い切る感じですね・・・。
続いては穴あけです。
これもやはりスチールがかなり手強い・・。

鉄鋼用のハイスドリルでもひと穴が限界です。
これは、もう“使い捨て”しかないかな・・・。
と思っていましたが、靴クラスの生徒さんで以前“金具や”だったというYさんに何気なく聞いてみたところ、
“ドリル砥ぎますよ”
と・・・。
うちのグラインダーを使って、ものの30秒ほどで完成・・・。
完全に刃が落ちていたドリルが、見事復活です。
さすがプロ・・。餅は餅屋ですな・・。
研ぎ方を教えてもらいましたが、これがなかなかムズカシイ・・・。

スチールに穴を開けては、研ぎを繰り返すこと数十回、やっと30点を付けてもらいました・・・・。

使用前と使用後・・・。こんなに短くなっちゃいました・・。
やっぱ、ボール盤は揃えたほうが良さそうですね・・・。早速明日にでもホームセンターで調達してこよっと
・・・。
あと、女性用で差ほど大きくないものであれば、両方アルミという方法もありですね・・。特に女性であればスチールの切断・穴あけは少し難儀かもしれません。まあこのあたりはボール盤で試してからの判断かな・・。
でもって、次は曲げの作業です。

ご覧のような、ハンドベンダーという機具で曲げていきます。
ただ単に適当に曲げるわけではなく、外枠・内枠のアールを微妙に変えて曲げる必要があるためこのような機具を使います。

外枠・内枠ともに3mm厚ですので、外枠の外径は18mm、内径は15mm、革の厚みと多少の隙間を4mm見積もって、内枠の外径は11mm、内径は8mm、とミリ単位で型紙どおりの正確なアールを再現しないと、バッグの開閉時に何らかの支障が出てきてしまうためです。

ほぼ型紙どおりのアールが再現できました。
次回はいよいよ型紙作りですが、少し先になりそうかな・・。革も決めてないし・・・。