2015年07月07日

袋縫いバッグの修理

工房の大屋さんから、カバンの修理のご依頼が入りました。

袋縫いバッグの修理@.jpg

ご覧のような、まだまだキレイな二つ折りになるショルダーバッグなんですが・・、

袋縫いバッグの修理A.jpg

ストラップの糸が解れてしまったようです。

ただ、“糊で留めて縫い合わせればいいんでしょ”

というわけにはいきません。

このままでは、ミシンステッチが裏(このカバンでいう表側)にもステッチが出てしまうので、このまま縫うわけにはいきません。

組み立てた順番を遡るように一旦分解し、ストラップを縫い付けて、また順番どおりに組み立てる必要があります。


この、いわゆる“袋縫い”といわれるタイプのバッグ・・

こういうタイプのバッグは、全てのパーツを組み立てて最後に前胴・背胴を内縫いし、最後に

“グリン”っとひっくり返して完成となります。

しかし、どこかにひっくり返せる隙間というか、穴というかがないとひっくり返せないので、まずはその箇所を見つけるところから始めます。

一見したところ、表向きは全て袋縫い(内縫い)状態でそういった箇所が見つかりません・・。

袋縫いバッグの修理B.jpg

で内側のポケット2箇所を引っ張り出してみたところ・・・、

袋縫いバッグの修理C.jpg

見つかりました。
ここだけが、唯一外縫い状態になってます。

外縫い部分については、糸を切ってもあとでそのまま同じ状態に縫い戻すことが出来ますので、ここが分解の最初の箇所ということになります。

つまりこのバッグを組み立てる一番最後のステッチがこの箇所ということです。

袋縫いバッグの修理D.jpg

因みに右側のファスナー内のポケットは外縫い状態ではありませんので、左側のポケットの底が唯一の場所でした。
で、糸を解いて穴を開け、そこから全体を“グリン”っと・・・。

袋縫いバッグの修理E.jpg

こんな感じです。
ストラップが出ているところが、糸を解いた箇所・・・。

袋縫いバッグの修理F.jpg

見つけました。中央下部が2番目の写真のストラップの付け根部分の裏側です。

袋縫いバッグの修理G.jpg

ここまできたら、先ほどの穴からミシンのアームを通して縫いつけてあげれば、表にステッチは出てきません。

袋縫いバッグの修理H.jpg

で、またひっくり返したあと、最後にポケットを元通り外縫いで仕上げれば完成、ということになります。

また、いっぱい使ってあげて下さい。
posted by tomo at 13:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 鞄・小物作り