2015年07月17日

ギャザーショルダー

4月の前作完成に続き、次々とカバンを量産しているSさん・・・。

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前のトートバッグと同じタンニン革を使って、今度は彼女さんへのショルダーバッグに挑戦っ!・・、おそろいですな・・。

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今回は“ギャザーショルダー”ということで、完成時のシルエットが重要なため、最初に帆布で試作を作り、

ギャザーのふくらみ具合などを微妙に調整してからの本番となりました。

試作で脇のカーブなどを確認しながら、何度か型紙を微調整・・・。

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型紙さえ決まれば、後はもう慣れたもの・・・。

前回のトート同様、今回も裏は付けず“見つけ”に直接ポケットを縫い付けてぶら下げるパターンで・・・。

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なんだかバルタン星人ッぽいマチですな・・・。

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でなんだかんだで本体完成〜!

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持ち手については、一部手縫いを施しました。

完成写真は、実際肩から掛けた感じで撮りたいんですが、なんせSさん“がたいがいい”もんですから、いまいちバランスが取れないということで、たまたま同じ教室で作業をしていたGさんにモデルをお願いしました。

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普通のショルダーとしても・・・、

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タスキ掛けにしても大丈夫な、2Wayで使っていただけます。

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底板も取り付けて、かなりしっかりしたギャザーショルダーが完成しました。

Sさん、ご自身でミシンまで購入され、どっぷりカバン作りにハマッテしまいましたが、なんとコスタリカへの転勤が決定されたとのこと・・・。

なので、今作で一旦退会となってしまいました。残念・・!

なにやら向こうにミシンも持っていくよう・・・、コスタリカでもカバン作り頑張って下さい。
posted by tomo at 16:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 教室・工房

2015年07月12日

逆押さえ

当ブログ常連のSさん・・。

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本格バッグとしては4作目のビジネスバッグが完成しました。
前作に引き続き、革と帆布のコンビネーションのビジネスバッグです。

Sさん帆布ビジネス@.jpg

今回のカバンの特徴としては、これまでの内縫いではなく、外縫い仕様になっております。

タンニンの革であれば、外縫い後磨きにかかりますが、帆布の場合へり返し仕様か、バイアスを縫い付けるかになります。

写真は、革のバイアスを縫い付けているところ・・。

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内縫いもそうですが、カーブのところがちと大変・・・。

Sさん帆布ビジネスB.jpg

アップの写真・・・。

気づきました?

そう、こういったバイアスを縫う場合通常の押さえでは落ちてしまうので、いわゆる“逆押さえ”に付け替える
必要があります。

下の写真でお分かりいただけると思います。

Sさん帆布ビジネスC.jpg

こちらが通常の押さえ・・・。針の左側に押さえと送りがありますが・・、

Sさん帆布ビジネスD.jpg

こちらは、針の右側に押さえと送りがあります。

これで、バイアス部分をしっかり押さえて送ってくれる、というわけです。

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Sさん、バッグ作りは一旦お休みし、次は靴作りにチャレンジです。
posted by tomo at 14:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 教室・工房

2015年07月07日

袋縫いバッグの修理

工房の大屋さんから、カバンの修理のご依頼が入りました。

袋縫いバッグの修理@.jpg

ご覧のような、まだまだキレイな二つ折りになるショルダーバッグなんですが・・、

袋縫いバッグの修理A.jpg

ストラップの糸が解れてしまったようです。

ただ、“糊で留めて縫い合わせればいいんでしょ”

というわけにはいきません。

このままでは、ミシンステッチが裏(このカバンでいう表側)にもステッチが出てしまうので、このまま縫うわけにはいきません。

組み立てた順番を遡るように一旦分解し、ストラップを縫い付けて、また順番どおりに組み立てる必要があります。


この、いわゆる“袋縫い”といわれるタイプのバッグ・・

こういうタイプのバッグは、全てのパーツを組み立てて最後に前胴・背胴を内縫いし、最後に

“グリン”っとひっくり返して完成となります。

しかし、どこかにひっくり返せる隙間というか、穴というかがないとひっくり返せないので、まずはその箇所を見つけるところから始めます。

一見したところ、表向きは全て袋縫い(内縫い)状態でそういった箇所が見つかりません・・。

袋縫いバッグの修理B.jpg

で内側のポケット2箇所を引っ張り出してみたところ・・・、

袋縫いバッグの修理C.jpg

見つかりました。
ここだけが、唯一外縫い状態になってます。

外縫い部分については、糸を切ってもあとでそのまま同じ状態に縫い戻すことが出来ますので、ここが分解の最初の箇所ということになります。

つまりこのバッグを組み立てる一番最後のステッチがこの箇所ということです。

袋縫いバッグの修理D.jpg

因みに右側のファスナー内のポケットは外縫い状態ではありませんので、左側のポケットの底が唯一の場所でした。
で、糸を解いて穴を開け、そこから全体を“グリン”っと・・・。

袋縫いバッグの修理E.jpg

こんな感じです。
ストラップが出ているところが、糸を解いた箇所・・・。

袋縫いバッグの修理F.jpg

見つけました。中央下部が2番目の写真のストラップの付け根部分の裏側です。

袋縫いバッグの修理G.jpg

ここまできたら、先ほどの穴からミシンのアームを通して縫いつけてあげれば、表にステッチは出てきません。

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で、またひっくり返したあと、最後にポケットを元通り外縫いで仕上げれば完成、ということになります。

また、いっぱい使ってあげて下さい。
posted by tomo at 13:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 鞄・小物作り